IGESは、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、多様なステークホルダーの取組みを後押するために、分野横断のプロジェクト"Aspiration to Action"を実施しています。本プロジェクトでは、国内外の政府、都市、ビジネス、市民社会などとの協働により、SDGsの取組み状況や課題を調査し、さらなる実施に必要な方策や手段を提言しています。
「Aspiration to Action」始動!

現在、国際社会は2030年を達成期限とする新たなグローバル開発目標の策定に向けて議論を進めています。2014年9月の時点では、17の持続可能な開発目標(SDGs)の目標案と付随する169のターゲット案が提案されています。これらの案は、安全な水資源の確保、再生可能エネルギー、男女平等、質の高い教育や経済改革等、豊な生活や生態学的持続可能性に関する多くの重要課題に対応しています。世界が真の進歩を遂げるためには、これらすべての目標・ターゲットが達成されなければなりません。
IGESでは、こうした状況を踏まえ、将来の持続可能な開発目標(SDGs)に関する新たな分野横断協働プロジェクト「Aspiration to Action」を開始します。現在、開発や環境に関する多くの条約や協定が存在していますが、残念ながらその実践に関して顕著な成果が出ているとは言いがたいのが現状です。このような現状を踏まえ、本プロジェクトでは、国際開発や地球環境問題対策の大きな課題である、「実施における隔たり」に着目し、国際交渉などで良く使用されるいわゆる「実施手段(means of implementation)」に焦点を当て、開発目標とターゲットの効果的な実施に向けた阻害要因や成功要因などを検証します。
現在、国際社会は2015年末に2015年以降の開発目標の合意を予定していますが、現時点では、どの程度具体的なSDGsが策定されるのか明確ではありません。しかし、今後の交渉プロセスでは、持続可能な開発達成のための道筋となる目標とターゲットが策定されることが期待されています。IGESでは、Independent Research Forum (IRF)などのパートナー機関、市民社会、その他の関連ステーホルダーと協力し、野心的(aspirational)でありつつも、実践的(actionable)なポスト2015年開発アジェンダの策定及び実施に貢献することを目的としています。

同時に、交渉プロセスを成功に導く要因として、開発目標実践に必要となる実施手段(MOI)を計画的かつ整合的に明確化していくことが必要となります。IGESでは、主に、水、エネルギー、森林、都市、持続可能な消費と生産、教育の各分野に関する主要な実施手段(MOI)を検証し、これらの分野に関連するSDGsの策定と実施に向けた実践面からの提案を行います。今後は、上記分野に関するディスカッションペーパー・シリーズの発表、各分野に関する実施手段(MOI)の共通要素をとりまとめた統合報告書の発表のほか、ポスト2015年以降の資金開発に関する分野横断的なインプットをする予定です。
また、将来の開発目標の実施においては 、政府、企業、市民社会、及び一般市民など多くの主体がその達成に向けて行動に移していくことが重要です。「Aspiration to Action」プロジェクトでは、こうした多様なステークホルダーの関心や優先事項に関する理解を深め、彼らの実施能力を高めていくことが、SDGsの効果的な実施に繋がっていくという認識に基づき、出版物の発行だけではなく、対話や共同研究などを通して多くのステークホルダーやパートナー機関に積極的に働きかけ、より実践的な研究や政策提案を行っていきます。
解説シリーズ
関連出版物
関連プロジェクト
持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム(APFSD)特集
「持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム(APFSD)」は、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)が毎年開催する国際会議で、「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)」に向けて、アジア太平洋地域のSDGsの取り組み状況を把握することを目的としています。この特集ページではIGES研究員によるレポートや、その他APFSD関連の情報を掲載しています。
持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)特集
この特集ページでは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」および「持続可能な開発目標(SDGs)」のフォローアップとレビューを目的とした国連による国際会議「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)」に関するレポートや出版物を紹介しています。
Online Voluntary Local Review (VLR) Lab
This online platform provides all you need to know about cities and regions taking a lead on “Voluntary Local Reviews.”
国連気候行動サミット/SDGs サミット特集
国連環境総会(UNEA)特集
2019年3月11日から15日にかけて、ケニア・ナイロビで第4回国連環境総会(UNEA4)が「環境的課題と持続可能な消費と生産のための革新的な解決策(Innovative Solutions for Environmental Challenges and Sustainable Consumption and Production)」をテーマに開催されました。

神奈川県中小企業によるSDGs活用事例集
IGESは、神奈川県の委託を受け、神奈川県中小企業団体中央会の協力を得て、「事例から学ぶ中小企業のためのかながわSDGsガイドブック」を作成しました。本ページは、同ガイドブックのウェブ版として、神奈川県下の中小企業のSDGsに関連する取り組みを紹介します。
関連コンテンツ
持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム2020の報告~コロナ禍からの復興とSDGs達成に向けた日本が果たすべき役割~

SDGs日本企業調査レポート2019年度版 「ESG時代におけるSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~(英語版)」公開
Global Compact Network Japan (GCNJ) and the Institute for Global Environmental Strategies (IGES) launched a new report, “SDGs and Business in the ESG era: Actions by Companies and Organisations in Japan”.
ネット・ゼロへの急激なパラダイムシフトの中で企業が未来を切り開く
【お知らせ】本シンポジウムは、今般の新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大状況と影響について主催者で協議した結果、 開催を中止することになりました。 なお、本シンポジウムで発表予定だった日本企業のSDGsへの取り組み実態に関する最新調査レポート 「ESG時代におけるSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」は、 3月5日(木)以降に本ページにて公開予定です。
SDGs日本企業調査レポート2019年度版 「ESG時代におけるSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」発刊 ~経営への統合・情報開示がより一層進むも、課題は野心的な目標とインパクト評価~
一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)およびIGESは、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」について、日本企業の取り組み実態に関する最新の調査結果をとりまとめた、SDGs日本企業調査レポート2019年度版「ESG時代におけるSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」を3月5日(木)に発刊しました。
SDGs日本企業調査レポート2019年度版 「ESG時代におけるSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」 発刊決定 ~GCNJ/IGES共催シンポジウムも同日開催~
一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)および公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES=アイジェス)は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」について、日本企業の取り組み実態に関する最新の調査結果をとりまとめた、SDGs日本企業調査レポート2019年度版「ESG時代におけるSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」を3月5日(木)に発刊します。

SDGsの各目標の相関性がわかるデータ分析&可視化ツールの改訂版(V2.0)を公開
SDGsの各目標の相関性がわかるデータ分析&可視化ツールの最新版(V3.0)を公開
SDGsの各目標の相関性がわかるデータ分析&可視化ツールの最新版「SDG Interlinkages Analysis & Visualisation Tool(V3.0)」(無料)を公開しました。このツールによって、SDGs各目標間の定量的な相互作用をビジュアル化し、潜在的なシナジーとトレードオフを特定することができ、各国の進捗と実績を時系列で比較することができます。
「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針(改定版)(骨子)」にパブリックコメントを提出
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の持続可能性ガバナンスセンターは、内閣府と外務省が意見募集した「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針(改定版)(骨子)」に対して、パブリックコメントを提出しました。
IGES、経団連と共同でWBCSDによる「人権に関するCEOガイド」の日本語版を発行
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)との共同により、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)作成の「人権に関するCEOガイド」の日本語翻訳版を発行しました。