循環経済

持続可能な社会の実現には、大量生産・消費・廃棄の線形経済モデルから脱却し、循環型の社会経済へと移行することが不可欠です。

循環経済、資源効率性、廃棄物の適正管理の主流化に向けた実践的な研究活動を行います。国際的な政策策定プロセスに積極的に関与するとともに、廃棄物・排水管理、プラスチック汚染対策、持続可能なライフスタイルといった諸課題に対し、特にアジアの視点から取り組みます。アジアの国・都市レベルでの統合的な廃棄物管理に向けた技術支援・能力構築も推進します。


資源循環と廃棄物

日米の持続可能な消費と生産の専門家が、持続可能な社会の実現に向けた中心的な課題について対談を行いました。
本対談では、資源循環と廃棄物をテーマに、芝浦工業大学の袖野玲子教授はフードロス・食品廃棄物の観点から、IGESの堀田康彦はプラスチック汚染や容器包装リサイクルの観点から、それぞれ意見を交わしました。
資源循環と廃棄物の課題について、一般の方にも分かりやすく理解を深めていただける内容となっています。

出典持続可能な社会変革の日米共創へ向けてー消費と生産にみる可能性持続可能な社会変革の日米共創へ向けてー消費と生産にみる可能性
The Japan-US Sustainable Transitions Network (JUSTra Network)
独立行政法人国際交流基金(JF)「日米グローバル・パートナーシップ強化助成」助成事業
https://justra.net/index.html

国内外のフォーラムの場で循環経済の国際潮流と日本の役割を強調

概要

世界的に資源制約、気候変動、プラスチック汚染への対応が加速するなか、循環経済は政策・産業・都市戦略を横断する重要なアジェンダとなっています。こうした国際的な動きを背景に小野洋IGES所長は、2026年2月に、循環経済に係る3つの主要イベントに登壇し、観光分野のプラスチック対策、都市政策とSDGs、企業間連携の強化という異なる切り口から、日本の経験とIGESの知見を共有し、循環経済の実装に向けた方向性を提示しました。

UNDP地域ワークショップ(2月24日)

UNDP主催の地域ワークショップ「観光セクターにおけるプラスチック対策のための循環型政策およびビジネスソリューション推進」において、日本の循環経済政策の発展経緯と特徴を紹介しました。 主なポイントは以下のとおりです。

  • 廃棄物管理中心型政策から資源循環型社会への転換
  • 拡大生産者責任(EPR)制度の展開
  • 観光分野における政策とビジネスの統合的アプローチ

IGESが政策研究や実践支援を通じて蓄積してきた知見を共有し、東南アジアの観光分野におけるプラスチック削減のディスカッションにつなげました。

JICAクリーン・シティ・イニシアティブ国際セミナー(2月25日)

JICA主催の「JICAクリーン・シティ・イニシアティブ(JCCI)国際セミナー2026」において、「共創と革新を通じた循環経済促進」と題した基調講演を行いました。
講演では、

  • SDG 12の進捗と課題
  • SDGs制定後に顕在化した資源安全保障やサプライチェーン規制の強化
  • 都市レベルでの回収・分別システム高度化の必要性

を整理し、2030年に向けてJCCIが重視すべき方向性を具体例とともに提示しました。

第21回J4CE官民対話・ビジネス交流会(2月27日)

2月27日に開催された第21回J4CE官民対話・ビジネス交流会では、これまでのJ4CEの成果および今後の方針について説明し、日本の強みを戦略的に発信し、海外との接点を拡大する重要性を強調しました。
主なメッセージは、以下のとおりです。

  • 日本企業や業界団体の循環型技術・ビジネスモデルの海外発信強化
  • プラットフォーム機能の強化を通し、国内外および地方における事業者間連携の創出及び具体化
循環経済の実装に向けたIGESの役割

1週間で3件の国内外向けの登壇を通じて、小野所長は、循環経済が単なる廃棄物管理の高度化ではなく、資源効率、産業競争力、気候変動対策を統合する経済転換であることを改めて示しました。 IGESは今後も、政策研究、国際対話、官民連携の促進を通じて、アジアおよび世界における循環経済の実装を支援していきます。


関連出版物

関連イベント

今後のイベント
Green Future Makers

ワークショップ「私たちが創るサステナブルな未来」

PDF ダウンロード(4.8MB) 本ワークショップは、「環境問題に関心はあるけれど、学校や職場で学ぶ機会がない」「何か行動を起こしたいけれど、何から始めればいいかわからない」というユース世代(35歳以下)の方を対象としています。 本ワークショップに先立ち、事前ウェビナー(6月3日開催: 「30分で学ぶ環境の重要課題」)で、「気候変動(適応)」「廃棄物管理・循環経済」「生物多様性」 の3分野の基礎をインプット、続く本ワークショップでは、環境課題への意識をさらに深め...
過去のイベント
Green Future Makers

30分で学ぶ環境課題:「世界環境の日」オンラインウェビナー

6月5日は「環境の日」。1972年にストックホルムで開催された「国連人間環境会議」の開始日を記念して定められました。日本では、環境庁(当時)の提唱により、6月を「環境月間」とし、環境問題への関心と理解を深めるための様々な取り組みが行われています。
本ウェビナーシリーズは、環境問題に関心はあるものの、普段学習の機会がない方や、より深く知りたい方を主な対象としています。主要な環境課題である「気候変動」「生物多様性」「プラスチック汚染」の3分野について、第一線で活躍する専門家が、課題のポイントと最新の
過去のイベント
COP30 ジャパン・パビリオン セミナー

ビジネスのためのグローバル循環プロトコルの公開 - 気候、自然、公正への影響 -

COPにおける2回のグローバル・ストックテイクの成果により、循環経済は気候変動対策に不可欠な手段と見做されている。さらに、グローバルな資源循環の推進と、これを通じた野心的な気候・環境目標及びその他の環境目標達成における企業の役割の重要性についても認識が拡大しており、その結果、循環性に関する企業の非財務情報開示への関心も高まっている。一方で、脱炭素やネイチャーポジティブの分野ではTCFDやTNFDといった企業の情報開示枠組みが整備されているものの...

関連ニュース

お知らせ
2024年10月21日

ヨハン・ロックストローム博士 IGESを来訪、特別講演を実施

10月9日(水)、地球の持続可能性に関する世界的に著名な科学者であり、プラネタリーバウンダリーに関する研究の第一人者であるヨハン・ロックストローム博士(ポツダム気候影響研究所所長、ポツダム大学地球システム科学教授)がIGES東京サステイナビリティフォーラムを訪問され、IGES職員と関係者に向けて特別講演を行いました。 これは、人類が直面する喫緊の課題に協働で取り組むシンクタンク連合「アース・リーグ」を通じた両機関の協力や、ロックストローム博士らが提唱する課題解決の方向性を分かりやすく示した著書...
お知らせ
2024年9月20日

「アジアにおけるプラスチック習慣を断つ」プロジェクト(第2フェーズ)に6つのASEANパートナーが選定

2024年9月20日、東京・ジャカルタ IGESと東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)海洋プラスチックごみに関する地域ナレッジセンター(RKC-MPD)は、使い捨てプラスチックの使用と廃棄を削減するため、行動科学の知見を活用したアプローチの効果を検証する「アジアにおけるプラスチック習慣を断つ(Breaking the Plastic Habit in Asia)」プロジェクト第2フェーズを開始しました。 2022年に実施された第1フェーズに続く第2フェーズでは...
プレスリリース
2024年5月23日

第16回 持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム【ISAP2024】 「地球のトリプル・クライシスを乗り越えるために必要な統合的アプローチとは」開催

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、第16回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム【ISAP(アイサップ)2024】全体会合を2024年7月23日(火)にパシフィコ横浜で対面とオンラインのハイブリッドで開催します。また、テーマ別会合を2024年7月~11月の期間にオンラインで開催します。 ISAPは、国際的に活躍する専門家や政府・国際機関・企業・NGO関係者等が集い、持続可能な開発についてアジア太平洋の視点から議論を行うフォーラムです。ISAP2024では、全体テーマ...

関連プロジェクト

プロジェクト
Updated: 2025年8月

G7 / G20 特集

各特集ページでは、G7/G20サミットにおける気候変動、エネルギー、環境分野に関する主要テーマの動向や注目ポイント等を解説しています。
プロジェクト
Updated: 2025年5月

UNEA-4 特集

2019年3月11日から15日にかけて、ケニア・ナイロビで第4回国連環境総会(UNEA4)が「環境的課題と持続可能な消費と生産のための革新的な解決策(Innovative Solutions for Environmental Challenges and Sustainable Consumption and Production)」をテーマに開催されました。
プロジェクト
Updated: 2025年1月

G20 特集 2024

ブラジルが議長国を務める2024年のG20サミットが、11月18日から19日にかけてリオデジャネイロで開催されました。世界は今、気候変動、生物多様性の損失、環境汚染といった同時多発的かつ連動した危機に直面しています。さらに、長引く紛争や貧困により、持続可能な開発への道のりは険しいものとなっています。G20は2024年のスローガンとして”Building a Just World and a Sustainable Planet (公正な世界と持続可能な地球の構築)”を掲げています。G20は...