2018年7月12日
お知らせ
SDGsの各目標の相関性がわかるデータ分析&可視化ツールの改訂版(V2.0)は、インターネット上で利用可能な無料ウェブツールです。科学に基づいたこの実践的ツールは、縦割りになりがちなSDGs実施の取り組みを統合的な取り組みへ転換させ、国家の政策立案を支援します。改訂版ツールでは、データを最新のものに更新したほか、インターフェイスを改善し、新しい機能を追加しました。
SDGsの17のゴールとそのターゲットは広範な分野をカバーしており、相互作用し補完し合う多様な要素を含んでいます。そのため、各目標の相関性は極めて複雑なものとなっています。こうしたことからSDGsの実施においては、部門間の統合や協働の創出を阻害するようなトレードオフを極力排し、シナジーを追求しスケールアップする統合的なアプローチが求められます。SDGsの計画・報告プロセスだけでなく、SDGs策定の交渉プロセスを通じて、SDGの統合の必要性は広く認識されてきました。SDGの統合において、1つの目標を達成することがどのように、まだどの程度、他の目標に影響するのか、どのエリアにシナジーやトレードオフを生むのか、そして相関性に関する各国の相違といった重要課題に取り組む上で、SDGsの各目標間の相関性を理解することは極めて重要です。
IGESのウェブツールは
- SDG各目標間の相関性を可視化します
- SDG各目標間のシナジーやトレードオフの可能性のあるエリアを特定する上で役立ちます
- 特定のアジアの国の、指標レベルの時系列データを提供します
- 経年での各国の進捗状況とパフォーマンスの比較を可能にします
このウェブツールが可能にするSDGの相関性に関する定量分析は、SDGのプランニングや優先順位の設定、協働創出、効率的な資源配分、SDGsの進捗モニタリングなど、様々な目的に活用することができます。
- SDGのプランニングに
SDGの相関性ネットワークの中で認識された戦略的目標に基づき、優先順位の設定をサポートします。また、トレードオフを十分考慮した、国家開発計画・戦略の戦略的環境アセスメントやサステイナビリティアセスメントのためのチェックリストを提供します。 - 協働の創出に
SDGの相関性を基に、特定のゴールの実施に向けて、どの組織がリードすべきか、そのほかのどの組織が主要なパートナーとして含まれるべきかといった提案をサポートし、効果的な協働の創出に貢献します。 - 資金の手配に
強力なシナジーを持つ分野に共同で取り組むことで、政府予算の効果的な配分をサポートします。これは、重複した取り組みの削減や限られた金融資源の効率的な配分に役立つため、特に途上国にとって重要です。 - モニタリングとレポーティングに
他の統計方法と組み合わせることで、膨大な数の指標によってもたらされる情報を取捨選択して、主要指標一覧の生成をサポートします。特に途上国において、効果的なモニタリングを実現するための追跡可能なデータ収集や、統計能力不足への対応といった課題に取り組む際に役立ちます。
この研究プロジェクトの詳細(手法、引用データ、文献等)は、下記のウェブサイトで閲覧可能です。
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