関西研究センターでは、「ビジネスと環境」をテーマに特に環境・省エネ対策を促進する企業等の民間セクターの行動に焦点を当てた研究を実施しています。具体的には、低炭素技術(LCTs)の移転促進及び普及を通じて、発展途上国における温室効果ガス(GHG)の排出削減への貢献を目指しています。現在、環境省及び兵庫県等からの支援の下、IGESの他の研究グループおよび国際機関と連携して、主に以下の研究活動を実施しています。
「低炭素技術の移転促進と普及」研究
<インド>
2010年以来、IGESとインドエネルギー資源研究所(TERI)は、日本からインドへの低炭素技術の移転促進のための活動を共同で実施、2016年にこの活動をより深化し、日印関係者間の連携を機能的に進めるため、日本・インド技術マッチメイキング・プラットフォーム(JITMAP)を立ち上げました。
ウェブ上にて技術、金融、制度・政策等に関する情報を加えて様々なステークホルダーを結びつける仕組み(マッチメイキング・プラットフォーム)である”Japan-India Technology Matchmaking Platform(JITMAP)“を構築し、より実用的な運用へ向けてウェブサイトにて情報発信しています。http://www.jitmap.org./index.php
これを背景に、関西を中心とした民間企業、関係機関等と連携し、兵庫県が包括的な連携協定を結ぶインド・グジャラート州等において、現地での技術移転活動を支援しています。現地での当該技術のインド側関係者の理解促進を図るワークショップの開催や技術研修、現地工場等での技術適用可能性調査、それ以外にもインド側招聘者の日本企業の視察、県内企業との連携可能性を探るアンケート調査、日本側関係者間の意見交換の場の設定、国際フォーラム等での研究成果の発表等を行っています。
<タイ>
IGESバンコク地域センターと連携し、現地調査およびワークショップ等を実施し、日本の技術の移転促進・普及等に取り組んでいます。タイ国エネルギー省や工業省と共に省エネを主眼にした現在のエネルギー報告システムの改善・意識向上を目指したエネルギー診断士(管理者)向けの研修等を実施しています。
「地域循環共生圏」研究
国の第5次環境基本計画において目指すべき社会の姿として定められた「地域循環共生圏」を実現するため、兵庫県農政環境部環境管理局温暖化対策課が事務局を務める「北摂里山地域循環共生圏構築検討会議」と連携し、北摂地域(三田市と宝塚市、猪名川町、川西市の各北部エリア)においてその形成を支援しています。
次図の想定実践活動例を中心に、2020年度は宝塚市西谷地区において木質バイオマスの有効利用をはかるための調査を実施し、将来的には各活動を兵庫県下の他地域に横展開をはかる予定です。
詳しい活動状況は北摂里山地域循環共生圏ホームページに掲載しています。
「気候変動適応・防災」研究
JICA事業として、2016年から2018年に実施した「ASEAN災害リスク低減(DRR)と気候変動適応(CCA)の統合に対する制度・政策枠組みに関する基礎情報収集・確認調査」での成果を踏まえ、日・ASEAN統合基金(JAIF)における事業”Disaster risk reduction by integrating climate change projection into flood and landslide risk assessment“においても参画中です。
「兵庫県における再生可能エネルギー促進施策」研究
兵庫県から「ひょうご版再エネ100事業」を受託し、事業所における再生可能エネルギー利用の拡大(太陽光発電自家消費及び再生可能エネルギー電力調達の拡大)と、地域における面的利用の拡大(地域新電力、マイクログリッド構築)に関する施策検討を目的とした研究を実施しています。
ネットワーク
地エネと環境の地域デザイン事業の第2回協議会に参画しました。
・「第2回協議会」の模様は、こちらをご覧ください。
・ 神戸新聞での紹介記事は、こちらをご覧ください。
2020年1月22日に開催された国際防災・人道支援フォーラム2020にパネリストとして参画しました。
朝日新聞(2020年1月30日)掲載記事は、こちらをご覧ください。[朝日新聞社 承諾番号:20-4235] ※朝日新聞社に無断で転載することを禁じます。
2018年度関西研究センターのインドにおける研究活動が、Mahratta Chamber of Commerce, Industries & Agriculture (MCCIA) Magazineに掲載されました。
2018年度関西研究センターのインドにおける研究活動が、SAMEEEKSHA’s Newsletter に掲載されました。
関連出版物
関連イベント
地域循環共生圏フォーラム ~再生可能エネルギーの導入による地域循環共生圏の創出~


インド日本商工会(JCCII)でのJITMAPの取り組みの紹介 [ニューデリー、インド]
IGES関西研究センターは2018年10月18日にデリーの日本大使館で開催されたインド日本商工会(JCCII)の定例会議において、これまでインドのエネルギー資源研究所(TERI)と共同で実施してきた、インドでの日本の低炭素技術普及のための活動について紹介しました。この発表はインドの日本国大使館の支援により実現し、同会議には約150名のJCCIIメンバーが参加しました。
関連ニュース

関西研究センターが、若者の気候変動に対するアクションをサポート

2018年度関西研究センターのインドにおける研究活動が、Mahratta Chamber of Commerce, Industries & Agriculture (MCCIA) Magazineに掲載されました。
