ストックホルム+50 特集

ストックホルム+50は、2022年6月2日~3日にスウェーデンのストックホルムで開催された世界環境デーに向けた国際環境会議です。各国の首脳級も集まるハイレベル会合として開催され、「行動の10年」を軸に、持続可能でグリーンな経済、より多くの雇用、そして誰一人取り残さない、すべての人のための健全な地球への変革を加速することを提言しました。

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なぜ「ストックホルム+50」と呼ばれるの?
ストックホルム+50は、1972年にストックホルムで開催された国連人間環境会議(ストックホルム会議)が、環境と貧困の関連性を初めて指摘し、国際的なアジェンダの最前線に据えてから50周年を記念したものです。ストックホルム+50は、緊急の国際的行動を必要とする共通の環境問題に対して、社会全体を巻き込んだ変革的な解決策を推進するため、初代会議からの50年を振り返りました。
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1972年のストックホルム会議で何が起こったの?
この会議の成果として、国連環境計画(UNEP)が設立され、毎年6月5日の世界環境デーが制定されました。また、会議の成果文書である「ストックホルム宣言」には、現在も地球環境の管理や交渉に活用されているいくつかの原則が盛り込まれています。
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Q
なぜストックホルム+50は今も意味を持つの?
気候変動、生物多様性の損失、汚染という3つの地球規模の危機に対する多国間主義の重要性を提唱するこのイベントは、持続可能な開発目標(SDGs)を実現するための「国連行動の10年」、2030アジェンダ、気候変動に関するパリ協定、2020年以降の生物多様性世界枠組の実施を加速する足掛かりとして、COVID-19後のグリーン復興計画の採択を促進するものとなりました。ストックホルム+50では、SDGsの実施を可能にする条件が模索されました。
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Q
ストックホルム+50では何が話し合われたの?
会議のテーマは「すべての人の繁栄のための健全な地球 - 私たちの責任、私たちの機会」で、地球を守ることの重要性に対する認識を高める目的がありました。気候変動、自然や生物多様性の損失、汚染や廃棄物の危機を克服しながら、COVID-19の大流行から立ち直るための道筋が話し合われました。会期中に3つのリーダーシップ対話が行われ、ストックホルム+50の成果に貢献しました。
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Q
ストックホルム+50のリーダーシップ対話とは何?
リーダーシップ対話は、あらゆるレベルにおける行動のための明確かつ具体的な勧告やメッセージを提供し、国際社会の協力を強化し、革新的な行動を加速させることで、ストックホルム+50の成果に貢献しました。
  • 1) 健全な地球と万人の繁栄を実現するための緊急な行動の必要性
  • 2) COVID-19パンデミックからの持続可能かつ包括的な回復の達成
  • 3) 「行動の10年」の文脈における「持続可能な開発」環境的側面の実施の加速
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Q
日本も参加したの?
日本からも政府関係者、ユース、研究機関などが参加しました。
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Q
ストックホルム+50の結果は日本にどのように影響するの?
1972年のストックホルム会議のテーマ「かけがえのない地球(Only One Earth)」を再確認し、環境(地球)あっての社会、社会あっての経済であることが様々な観点から指摘され、これらの議論は、2023年に日本がホストするG7や第6次環境基本計画の策定などに反映されるとともに、特に現地参加するユースを起点とした足元からの社会変革が期待されます。
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Stockholm+50公式サイトから引用・翻訳・編集し作成

関連イベント

過去のイベント
Stockholm+50 Follow Up Event

ストックホルム+50が残したもの:地球環境の世代間衡平の実現に向けて

1972年の国連人間環境会議から50年を機に開催されたストックホルム+50では、「皆の繁栄のための健康な地球‐私たちの責任と機会」をメインテーマに、4つの全体会合、3つのリーダーシップ対話、そして閉会式が行われました。コロナ危機からの持続可能な回復や、2030アジェンダの環境側面についての議論にも焦点を当て、人間社会が地球環境を破壊することで発展してきた道のりを振り返った上で、次の50年間で人類が歩むべき道筋を示しました。 ストックホルム+50においては、「世代をまたぐ責任」、...

関連出版物

他機関出版物の翻訳
著者:
Stockholm Environment Institute (SEI)
Council on Energy, Environment and Water (CEEW)
2022年6月2日~3日にスウェーデン・ストックホルムで開催された国連会議「ストックホルム+50:すべての人が繁栄する健全な地球-私たちの責任と機会」に向けて、Stockholm Environment Institute(SEI)及びCouncil on Energy, Environment and Water(CEEW)が共同で発表した報告書(政策決定者向けサマリー)の日本語翻訳版(暫定非公式訳)。SEI、CEEWならびに複数のパートナー機関、そして持続可能な開発に関する専門家から構成される国際諮問委員会の議論をもとに、持続可能な未来に向けて、人類と地球が直面している危機に対して今すぐに行動を起こす必要性を改めて強調し、科学的根拠に基づく具体的な政策提言を行っている。...
他機関出版物の翻訳
著者:
GO4SDGs
United Nations Environment Programme
環境問題がグローバルな議題の最前線に位置付けられる転機となった国連人間環境会議から50年を記念して、持続可能な開発のための行動加速をテーマに掲げたハイレベル会議「ストックホルム+50」が2022年6月2日~3日にスウェーデン・ストックホルムで開催される。「ストックホルム+50」に先立ち、多くのステークホルダーに発言と関与の機会を与え、持続可能な開発目標(SDGs)実施の加速に求められる取り組みや行動をボトムアップでマッピングするために、地域ごとのマルチステークホルダー会議が実施された。本レポートは、2022年4月4日~5日に開催された「ストックホルム+50に向けたアジア太平洋地域マルチステークホルダー会議」のサマリー日本語翻訳版(仮訳)である。世代間対話、衡平性、COVID...
政策プロセスへの提言
持続可能な開発目標( SDGs )が定めた 2030 年という期限を前に、世界はすでに「決定的な 10 年」とも言うべき期間に突入している。これは、持続可能な未来の実現に向けた残り時間がなくなりつつあることを示している。 2022 年のハイレベル政治フォーラム( HLPF )、アジア太平洋持続可能な開発フォーラム( APFSD )および関連フォーラムでは、 SDGs の 5 つの目標( SDG 4 、 5 、 14 、 15 、 17 )についての詳細な検討が予定されている。「すべての人の持続可能な未来を実現するためのプラネタリー・バウンダリーを超えない暮らし」を実現するために、これらの目標の達成に向けて、 IGES 、政策立案者、企業、市民社会、その他の関係者が取るべき方策を...
ディスカッションペーパー
財団法人地球環境戦略研究機関(IGES、神奈川県葉山町 理事長 浜中裕徳)は、2012年6月にブラジル・リオデジャネイロで開催される国連持続可能な開発会議(UNCSD)(以下、リオ+20)に先立ち、2011年11月1日付で国連経済社会局(UNDESA:リオ+20事務局)に「リオ+20に向けた  IGESプロポーザル」を提出しました。本プロポーザルは、同局がとりまとめる「リオ+20成果文書のための統合文書」に掲載される予定です。 本プロポーザルでは、東日本大震災及びそれに伴う福島原発事故を重要な教訓として踏まえ、 環境・経済・社会の“レジリエンス(しなやかな強さ、対応力)”の強化が持続可能な開発の実現に向けた重要かつグローバルな課題であると指摘します。 その上で、リオ+20のテーマとなる...

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  • Masashi Tsudaka

    シニアプログラムコーディネーター