今年11月に開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)は、日本でも多くメディアに取り上げられ話題になりました。このCOP26の注目トピックの1つが「気候変動への適応」だったことはご存知でしょうか?世界が気温上昇を産業革命前に比べ1.5℃に抑えるという目標に向けて動き出しましたが、それは、1.5℃までは気温が上がるということでもあります。産業革命前に比べ既に1℃上昇していると言われる現在、日本では年々台風や大雨などによる被害が増え、世界でも大規模な森林火災や海面上昇による国土の減少など、様々な気候変動の影響が見られています。これからも私たちは今よりも熱い世界、気温が上昇した世界に適応していかなければなりません。COP26での議論を振り返りつつ、現在の世界の状況と、適応を巡るトレンドをご紹介し、今日本に必要なことは何かを2回シリーズで考えます。2回目は2022年2月の開催を予定しています。
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発表資料
気候変動「適応」の今 - 適応をめぐるCOP26での議論と国際トレンド 司会進行: 田村 堅太郎 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター |
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水野 理 |
公益財団法人地球環境戦略研究機関
適応と水環境領域 プログラムディレクター
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椎葉 渚 |
公益財団法人地球環境戦略研究機関
適応と水環境領域 研究員
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PDF (1.4MB) |
質疑応答 | PDF (528KB) |
録画映像
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