1988年に設立された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と、2012年設立の生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)は、それらが設立されて以降、両分野での科学に基づく政策決定の大きな推進力となってきました。近年ますます重要視されてきている両分野の関連性と、統合的な視座の必要性に対応すべく、IPBESとIPCCは、生物多様性と気候変動に関するワークショップを昨年12月に共催し、その報告書を今年6月に発表しました。
IGESはこの史上初となる合同ワークショップの内容を広く日本社会にも紹介すべく、このたびポリシーレポート「生物多様性と気候変動 IPBES-IPCC合同ワークショップ報告書:IGESによる翻訳と解説」を公開しました。
本書では、報告書の和訳に加え、この報告書の歴史的意義や性格、新しい概念や用語について、IGES研究員による解説を付したほか、日本からIPBESの学際的専門家パネルの立場でワークショップの運営に関わった東京大学の橋本禅准教授、IPCCインベントリータスクフォースの田辺清人共同議長、IPBES侵略的外来種評価技術支援機関の守分紀子代表による鼎談を掲載しています。
9月30日に行ったオンラインプレスセミナーでは、本書の内容をもとに、IPBES-IPCC合同ワークショップの経緯と重要性、報告書のメインメッセージを解説するとともに生物多様性と気候変動の関係と今後への影響、日本に求められることなどをメディアの方々にお伝えしました。
イベントの詳細
発表資料
高橋 康夫 IGES生物多様性と森林領域 リサーチマネージャー | 発表資料 (4.3MB) | ||
田辺 清人 IPCC インベントリータスクフォース(TFI)共同議長 / IGES 上席研究員 | |||
守分 紀子 IPBES侵略的外来種評価技術支援機関代表 |
関連出版物
本レポートは、2021年6月に発表された生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)/気候変動に関する政府間パネル(IPCC)合同ワークショップ報告書「IPBES-IPCC Co-Sponsored Workshop Report on Biodiversity and Climate Change」の和訳を中心に、IGES研究員による解説や関連情報、IPBES及びIPCC関係者による鼎談等を収録したものです。ここには、生物多様性と気候変動への統合的な取り組みの重要性と論点、ならびに今後のIPBESやIPCCなどへの示唆がわかりやすく解説されています。
録画映像
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