IGESでは、ASEAN気候ビジョン2050が示すネットゼロかつレジリエントなASEAN共同体の構築に向けて、ASEAN主要4カ国(インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム)を対象とする、緩和・適応を統合的に推進する長期ロードマップ策定に関する研究を実施しています(環境研究総合推進費1CN-2206:2022年4月~2025年3月)。
本研究事業の成果は、国家の長期戦略(LTS)、国が決定する貢献(NDC)、国家適応計画(NAP)、セクター別計画、開発計画等をはじめ、ASEANの2030年までのロードマップであるASEAN気候変動戦略行動計画(The ASEAN Climate Change Strategic Action Plan:ACCSAP)2025-2030の指針・方法論となる「マクロフレーム」(緩和と適応を統合的に推進するための枠組み)として、ガイダンス文書の形で発表される予定です。
本特集ページでは、研究の進捗・研究成果として学術論文やワーキングペーパーなどの関連出版物や関連イベントの情報等を紹介しています。
新着情報
The Final (3rd) Workshop on the National Long-term Roadmap to Synergise Mitigation and Adaptation in the ASEAN Region
研究概要図

研究概要図の解説文
サブテーマ1では、各国の事情を踏まえた緩和・適応の長期ロードマップのマクロフレーム(方法論)を構築する。サブテーマ2、3の研究成果を総括し、緩和適応統合ロードマップ策定を支援する成果物(ガイダンス等)を作成・公表する。サブテーマ2では、ASEAN主要4カ国に関して、産官学民のコンソーシアムを介したアンケート調査・各種分析の協議を通して、化石燃料(石炭・ガス)の移行、再エネの大規模普及等において重要な要素を解明し、緩和の移行戦略に関する政策提言を行う。サブテーマ3では、ASEAN主要4カ国に関して、再エネ等の大規模普及と深く係わる適応分野・産業部門を特定し、将来の再エネの大規模普及が国・地方の土地利用変化や適応・レジリエンス等に及ぼす影響を解明する。本研究は、アクションリサーチとしての側面も重視し、コンソーシアムにおける方法論・分析フレームの共同開発や分析結果を巡る議論・対話のプロセスを通じて、金融界やユースグループの声も反映すると共に、技術面のみならず、経済・社会・制度面をも考慮した政策実装化に直結する具体的な工程表の作成を支援する。アウトカム目標として、途上国のキャパシティビルディング、並びに、ASEAN諸国やASEAN地域の戦略・計画の策定や改定に貢献することを目指す。
関連出版物
関連イベント
ASEANにおける気候中立・レジリエントな社会実現に向けた緩和適応統合ロードマップに関する研究成果報告
プロジェクト概要
プロジェクト実施期間 | 2022年4月~2025年3月 |
プロジェクト実施主体 | IGES |
研究課題名 | アジア途上国・準地域における気候中立かつレジリエントな社会実現に向けた緩和・適応の移行戦略の工程表作成および実装化支援に関する研究(課題番号:1CN-2206) |
研究協力機関 | 三菱UFJ銀行、国立環境研究所(気候変動適応センターアジア太平洋気候変動適応研究室)、IPB University (Bogor Agricultural University)、University of the Philippines in Los Baños、Thammasat University、Viet Nam Institute of Meteorology, Hydrology and Climate Change |
資金提供機関 | 環境再生保全機構 |
本プロジェクトに関する問い合わせ先 | 研究代表者:有野 洋輔 [email protected] |