ASEAN気候変動戦略行動計画(The ASEAN Climate Change Strategic Action Plan:ACCSAP)2025-2030は、2030年までの、ASEANにおける気候変動ロードマップです。
IGESは、2021年にASEAN地域の気候変動の状況を、はじめて統合的にまとめたレポートととして「ASEAN State of Climate Change Report(ASCCR)」の作成に貢献しました。ACCSAPはこのASCCRで特定された優先順位の高い行動を、地域レベルの具体的な活動に落とし込むためのロードマップであり、統合的かつ戦略的な公式の行動計画となります。
ACCSAPの究極目標は、持続可能な開発、連帯、平和構築であり、ASEAN共同体ビジョン2045(2025年までに策定予定)とASEAN気候ビジョン2050(ASCCR第4章)とつながっています。
気候行動に関する目的は主に、次の5つです。
- 1. 資金、技術、能力開発の支援を強化し、適応と緩和の相乗効果を高めることで、ASEAN加盟国(AMS)の国別排出削減目標(NDC)および、セクター別ロードマップの実施を加速させる。特に、AMSが共通で取り組む行動を迅速に実現する
- 2. ASEAN Working Group on Climate Change (AWGCC) 行動計画2019-2025(AAP)の実施を加速し、進捗状況をレビュー/評価する
- 3. 気候変動に関するASEANのセクター別・横断的な計画と、ASEANの国際開発パートナーによって実施される様々な計画や活動を統合・連携する
- 4. ASCCRで特定された、ASEANの長期気候ビジョンに向けたスムーズな移行を促進するための支援条件を整備し、レジリエントかつネット・ゼロのASEAN共同体を実現する
- 5. ASEAN気候変動センター設立を支援する
本特集ページでは、ACCSAPの進捗として、ASEAN諸国のNDCアップデート状況、具体的な戦略文書などの日本語翻訳コンテンツ、関連イベントの情報などを紹介していきます。
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プロジェクト概要
プロジェクト実施期間 | 2024年8月~2026年3月 |
プロジェクト実施主体 | ASEAN事務局(提案者) IGES ASEAN10か国の国立研究機関 |
資金提供機関 | 日ASEAN統合基金(JAIF) |
本プロジェクトに関する問い合わせ先 | ACCSAP事務局 [email protected] |