2021年11月に開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で、世界の気温上昇を産業革命前に比べ1.5℃以内に抑える努力を追求することが合意されました。この目標を達成するためには、各国の州、市、区等、様々な都市レベルの取り組みを加速させることが必要不可欠です。
さらに、新型コロナウイルスの感染が拡大する状況下で、都市は関連する課題に対処すると同時に、持続可能な開発を達成するための方策について再調整や検討を迫られており、都市間の連携による新たな手法、新たな都市の構築が極めて重要です。
東京都とクアラルンプール市(KL市)は2019年から都市間連携を開始し、東京都のノウハウを移転しながらKL版の低炭素・ゼロカーボンビルディング実現・普及の制度構築を目指し、これまでKL市保有の1955の公共建築物のエネルギー消費実態調査、削減ポテンシャルの推計、優先的に省エネ改修すべき公共建築物の選定、ガイドライン策定等の支援を行いました。そして今年度、これまでの二都市の連携に新たにさいたま市が加わりました。日本では、気候変動緩和・適応、新型感染症、人口減少、防災・減災への対策として「スマートシティ」の計画と開発が進んでおり、さいたま市は美園地区の「スマートホーム・コミュニティ」街区開発(第1街区から第3街区まで)の実績・経験を有してします。さいたま市および関係者の知見・ノウハウをKL市に共有し、新しいカーボンニュートラル街区の実現支援を行っています。
本セミナーはクアラルンプール市庁舎内の会場とオンライン参加者とをつなぐハイブリッド形式で開催され、会場、オンライン合わせておよそ200名が参加しました。
セミナーでは、KL市全体の脱炭素化に向けて、東京都が先行して実施している2050年「ゼロエミッション東京」、「2030年カーボンハーフ」に向けた、建物の脱炭素化に関する条例改正や資源循環の取り組みの最新事例が共有されました。また、さいたま市からは日本の脱炭素街区のノウハウとして、先行事例である美園地区の街区開発が共有されました。
イベントの詳細
Room Anjung Singgahsana, Menara DBKL, 1, Jln Raja Laut, Kuala Lumpur City(ハイブリッド開催)
発表資料
(日本時間で表記、マレーシア時間は10:30から)
11:30-11:45 | 開会挨拶 | ||
Mahadi bin Che Ngah クアラルンプール市長 | |||
歓迎挨拶 | |||
小野 洋 環境省地球環境審議官 (オンライン) | |||
高橋 克彦 在マレーシア日本国大使 (オンライン) | |||
栗岡 祥一 東京都環境局長 (ビデオレター)
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清水 勇人 さいたま市長 (ビデオレター)
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Mohd Hamdan Ahmad マレーシア工科大学 副総長補佐 (ビデオレター)
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IGES 武内 和彦 理事長 (オンライン) | |||
写真撮影 | |||
11:50-12:40 | カーボンニュートラルに向けた試みについて各自治体より発表 | ||
“都市間連携の枠組みについて紹介” | |||
Ho Chin Siong UTM教授、UTM低炭素アジアリサーチセンター ディレクター | PDF (3.2MB) | ||
Chau Loon Wai 上席講師、UTM低炭素アジアリサーチセンター 共同ディレクター | |||
藤野 純一 IGESサスティナビリティ統合センター プログラムディレクター | PDF (2.2MB) | ||
中野 綾子 IGES都市タスクフォース リサーチマネジャー | |||
“KL市脱炭素政策:2050年カーボンニュートラルに向けた取組” | |||
Nik Mohammed Faizal Bin Nik Ali KL市プロジェクト及びビルメンテナンス部チーフ・アシスタント・ディレクター | PDF (3.9MB) | ||
"東京都 脱炭素政策:2030年カーボン・ハーフに向けた取組の加速" | |||
千葉 稔子 東京都環境局 地球エネルギー部 気候変動対策専門課長 | PDF (2.2MB) | ||
古澤 康夫 東京都環境局 資源循環推進部 資源循環推進専門課長 | PDF (772KB) | ||
“さいたま市 脱炭素政策:マイクログリッドを用いた「スマートホーム・コミュニティ」の社会実装” | |||
神田 修 さいたま市 都市戦略本部未来都市推進部環境未来都市推進担当 | PDF (1.4MB) | ||
12:40-12:55 | 専門家からのコメント | ||
北栄 和弥 マレーシア日本人商工会議所 上席調整責任者 | |||
新野 拓己 東京都環境局 総務部 環境政策課 国際環境協力担当 | |||
12:55-13:00 | 閉会挨拶 | ||
Ho Chin Siong UTM教授、UTM低炭素アジアセンター ディレクター | |||
藤野 純一 IGESサスティナビリティ統合センター プログラムディレクター |