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IGESは、パートナーである東京大学未来ビジョン研究センターおよび笹川平和財団とともに、アジア太平洋気候安全保障事業(Asia-Pacific Climate Security: APCS)の一環として、国際ワークショップを開催した。この2日間のワークショップには、アジア太平洋地域の研究者と実務者が参加し、気候安全保障に関する幅広い知識と経験が共有された。APCSのプロジェクトメンバーと海外から12名の講師が、気候安全保障という包括的なテーマに対し、それぞれの専門分野の視点から議論を展開した。
ワークショップの構成は次の二つの主要な目的に基づく。一つは、アジア太平洋地域特有の気候変動に関連した安全保障上のリスク、課題、機会を特定することである。もう一つは、可能な解決策および得られた知見の潜在的な政策適用について議論することである。
初日は、伝統的な安全保障と国家安全保障の問題に焦点が当てられた。この日のセッションでは、気候変動が人間の安全保障に加速度的に影響を及ぼしていること、気候変動が世界の特定の地域に不均衡な影響を及ぼしていること、また、人口移動と経済的不安定を引き起こしていることを様々なスピーカーが強調した。そして、この文脈において、重要な資源をめぐる緊張や北極圏における地政学的関心の高まりは、国際安全保障の枠内で取り組むべき喫緊の課題であることが指摘された。
2日目には、非伝統的な安全保障と人間の安全保障に関する議論が行われた。東南アジアの気候安全保障に関する基調講演では、政策対応のギャップを特定する包括的なアプローチを採用し、優先順位を明確にする必要性を示した。その中で、フィリピン、太平洋地域、ヒンドゥークシュ・ヒマラヤ地域における気候安全保障の課題について、3人のスピーカーがそれぞれの見解を述べ、地域的な視点が共有された。続いて行われたセッションでは、気候安全保障の考慮事項を統合することで、日本がアジア太平洋地域で開発援助のリーダーシップを発揮する可能性と、その政策的な意味について議論された。特に、食料安全保障や災害リスク管理など地域的な課題への対応が焦点となった。
最終セッションでは、気候変動による損失と損害、気候安全保障リスクの軽減に向けた資金調達および活動の時間枠など、気候安全保障に関する研究が不足しているいくつかの側面が指摘された。多様な視点、課題、弱点が共有され、この分野におけるさらなる研究に貴重な示唆が得られ、本ワークショップは前向きな結論で締めくくられた。
本プロシーディングは、ワークショップにおける参加者の活発な議論をまとめたものである。ワークショップで交わされた多様な意見と議論を正確に捉え、適切に反映することは極めて困難であるが、本書では、政策立案者、実務家、その他の利害関係者が議論を概観しやすいように、4つの要点と6つの今後の検討事項を以下に提示する。各論点で引用された事例やケースに関する詳細な情報は、続く各セクションを参照されたい。
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