生物多様性条約(CBD)
生物多様性条約(Convention on Biological Diversity: CBD)は、
- (1) 生物多様性の保全、
- (2) 生物多様性の持続可能な利用、および
- (3) 遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分
を目的とする多国間の環境協定です。
締約国会議(Conference of Parties: COP)は、通常隔年開催されるCBDの意思決定機関であり、会議で検討され採択される決定により、条約の実施を推進します。
昆明・モントリオール世界生物多様性枠組(GBF)
2050年までに「自然と共生する世界」の実現を目指す、4つの目標に基づく23の包括的かつ野心的なターゲットを掲げた昆明・モントリオール生物多様性枠組(Kunming-Montreal Global Biodiversity Framework: GBF)が、2022年12月にモントリオールで開催された第15回締約国会議(COP15)において採択されました。各国政府は、GBFに基づいて、2030年を目標年とする生物多様性国家戦略を策定することが推奨されています。
CBD COP16
次回のCBDの締約国会議(COP16)は、2024年10月21日から11月1日にかけて、コロンビアのカリで開催されます。議題には、GBFに沿った各国の目標設定や生物多様性国家戦略(NBSAPs)の改定状況の進捗評価が含まれています。これに関する詳細や他の重要なトピックについては、下記のIGESによるCBD専門家とのウェビナーインタビューでご覧いただけます。
関連イベント
CBD COP16への期待
本ウェビナーでは、アンドレ・マダー IGES生物多様性・森林領域ディレクターが、2人の専門家とともにCOP16の主要な論点を議論しました。デイビッド・ダシー氏は、UNEPとCBD事務局で長年各国の生物多様性戦略と行動計画(NBSAP)の策定を支援してきました。また、アリス・ヒューズ氏は香港大学の准教授であり、CBDおよびGBFに関する数々の主要な出版物を執筆しています。
ネイチャーポジティブの測り方:昆明・モントリオール生物多様性枠組の進捗評価と科学-政策連携
IGESとSGNが共催する今回のイベントでは、GBFモニタリング枠組による「ネイチャーポジティブ」の測り方、グローバルレビュープロセスによるその推進に向けた検討状況とともに、一連のプロセスにおけるIPBESの役割を解説しました。また、GBFの実践においてIGESとSGNが重視する研究テーマやその展望についてご紹介しました。
参考資料
CBD COP16 サイドイベント情報
パラレルミーティング
第6回生物多様性のための科学政策フォーラム & 第9回持続可能性科学国際会議
第6回生物多様性のための科学政策フォーラムは、政策・科学・社会のインターフェースを強化し、GBFの実施を促進するための客観的な情報に基づいた意思決定の支援することを目的に実施されます。特に、生物多様性の損失を軽減し、持続可能な管理を促進し、革命的な変化をもたらすための実行可能な提言を作成することに焦点を当て、2050年ビジョンと一致する知識の共有を図ります。
CBD COP16 サイドイベント
生物多様性計画に沿った進捗を確保するためのランドスケープアプローチの実践化
このサイドイベントでは、ランドスケープアプローチを各国の生物多様性国家戦略の策定と実施に組み込む方法を強調し、既存のさまざまなイニシアチブを活用して、統合的かつ一貫した「全社会的」アプローチを支援・促進するための具体的なガイダンスとツールを実務者に提供します。ランドスケープやシースケープの利用、管理、ガバナンスに関する決定に関わる様々な利害関係者を代表するスピーカーやパネリストが、こうした統合的アプローチを実践する上での優良な事例やチャンス、課題について紹介し、参加者との活発な議論を交わします。
CBD COP16 サイドイベント
自然と共生する社会の実現に向けた協働:現場のイニシアチブを支援するメカニズムとツール
このサイドイベントでは、多くのステークホルダーの協働が、地域のニーズと優先事項に応え、生物多様性と持続可能性の世界目標達成を促進する革新的で持続可能な平和的ソリューションにどのように繋がるかを紹介します。また、現場のイニシアチブを支援するための一連のメカニズムとツールを紹介しながら、ランドスケープやシースケープの規模においてさまざまに異なる優先事項や視点、目標を共有し、合意に導く方法を、実践例を通じて示します。これらの実例の紹介に続いて、政府、国際機関、市民社会、学界からのパネリストが集まり、自然と共生する社会の実現に向けた現場のイニシアチブを効果的に支援する方法について議論します。