本日、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、ドイツ・緑の党とも連携するハインリヒ・ベル財団、廃棄物削減および資源循環を目指す一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンとのパートナーシップのもと、『プラスチック・アトラス 合成ポリマーの世界―事実と統計 アジア[日本語特別版]』を発刊しました。
2019年11月、ハインリヒ・ベル財団およびBreak Free From Plasticは、深刻なプラスチック汚染問題の背景にあるビジネスモデルや社会的仕組みなどを分析・考察し、簡潔かつ具体的な記述およびインフォグラフィックを用いて問題の本質をわかりやすく示した『PLASTIC ATLAS』を出版しました。2021年4月には、プラスチック生産・使用・廃棄に関して大きな役割をもつアジアに焦点を当て、地域特有の事情や課題に加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大がプラスチックごみ問題に与えた影響を取りまとめたアジア版(英語)を発表しました。
今回の日本語特別版は、このアジア版を日本語に翻訳した上で、日本のプラスチック廃棄物管理の現状と、政府・産業界・自治体それぞれの観点での課題認識および対応を解説すべく、「日本におけるプラスチック廃棄物管理の課題と可能性」、「解は日本にあるのか? リサイクルシステムの確立から、その先への挑戦」、「ゼロを目指せ:日本における地域レベルの行動とプラスチックごみゼロ宣言」の3章を加筆しています。
ハイライト
- 世界のプラスチックの生産量は、1950年には200万トンであったが、2019年には約3億7,000万トンまで増大した。2050年代初頭までに、生産・使用量はそれぞれ4倍になると予測されており、気候変動をはじめとする環境影響、健康や人権などの社会的影響が懸念されている。
- 現在、プラスチックの50%以上がアジアで生産されている。アジアでは古くから詰め替え、再使用、リサイクルが根付いており、自然素材による包装や詰め替え容器が普及していたが、使い捨て文化が進み、プラスチック生産・消費・廃棄・他国からの引き受けの世界的中心地となっている。
- プラスチック汚染による健康影響および、主要な経済分野である食品・衣料・観光産業における問題において、アジアで一般的な文化や社会制度、ジェンダー観に起因した特有の傾向が見られる。
- プラスチック汚染問題の責任の大部分は消費者に押し付けられており、問題の本質および巨大な環境的・社会的コストが曖昧にされている。
IGESは、廃棄物管理および循環経済に関する研究成果や知見をもとに、端緒となった『PLASTIC ATLAS』およびアジア版の制作にあたって、日本の国際的な貢献および、アジアにおける政策ならびにビジネスセクターの取り組みなどについて情報提供を行いました。今回の日本語特別版では、編集および追加された独自トピックの執筆にも貢献しています。レポートは以下よりご覧ください。
また、5月30日(月)に、本レポートの発刊記念イベントを開催します。詳細はこちらよりご覧ください。
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、ハインリヒ・ベル財団、一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンとのパートナーシップのもと、『プラスチック・アトラス 合成ポリマーの世界―事実と統計 アジア[日本語特別版]』を発刊しました。
2019年11月、ハインリヒ・ベル財団およびBreak Free From Plasticは、深刻なプラスチック汚染問題の背景にあるビジネスモデルや社会的仕組みなどを分析・考察し、簡潔かつ具体的な記述およびインフォグラフィックを用いて問題の本質をわかりやすく示した『PLASTIC ATLAS』を出版しました。2021 年には、プラスチック生産・使用・廃棄に関して大きな役割をもつアジアに焦点を当て、地域特有の事情や課題に加えて、新型コロナウイルス(COVI...