インドにおける日本の環境技術の導入に向けたウェビナーシリーズ

第1回「インドの製造部門等における大気汚染対策に関する日印の連携」

2021年12月9日 (インド時間11:30 – 13:00、日本時間 15:00 – 16:30)

(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)関⻄研究センターは、2021年12月9日に、今年度の第1回ウェビナーである「インドの製造部門等における大気汚染対策に関する日印の連携」をオンラインで開催しました。本ウェビナーは、日本国環境省とインド環境・森林・気候変動省(MOEFCC)が、2018 年10 月に締結した「環境分野における包括的な協力覚書」への貢献のため、環境省の支援の下で2016年に立ち上げた「日本・インド技術マッチメイキング・プラットフォーム(JITMAP)」を活用した活動です。本ウェビナーの目的は、インドにおける大気汚染に関して、インド、日本、その他の国における取り組み経験を共有し、今後、インドの大気汚染問題を克服するために、インドと日本はどのように協力すべきかについて意見を交換することです。また、開催にあたり、エネルギー資源研究所(TERI)、在インド日本国大使館が日本の技術を活用してインド国の大気質の改善に協力するため推進している「ブルー・スカイ協力」、及び公益社団法人 日本環境技術協会(JETA)からも支援を得て開催しました。

ウェビナーは、日本とインドの政府機関、協力機関、企業等が参加し、大気汚染対策に関する取り組みとその成果や課題の紹介と、それを受けて、インドの大気汚染問題を克服するために必要なインドと日本の協力に関するディスカッションの2部構成で実施しました。第1部の取り組み紹介では、インドの州汚染管理局や日印の企業からは、インドにおける大気汚染問題の改善に向けた施策、自社対策や事業の取り組み、協力機関からは、大気汚染管理・対策に関する日本と中国の協力の経験が紹介されました。第2部のディスカッションは、国連環境計画(UNEP)からモデレーターを、インドの州汚染管理局(グジャラート州汚染管理局(GPCB)、マハラシュトラ州汚染管理局(MPCB))、在インド日本大使館、JETAからパネリストを迎え、各州の汚染管理局の取り組み内容や日本との協力への期待、日本の経験に基づく環境改善に推奨される技術や手法、州汚染管理局との期待される連携等に関する議論を行いました。パネリストからは、各州での独自の取り組みや新たな規制や行動計画の紹介の他、日本とインドとのWin-Win関係の維持と日本企業の協力への期待、全てのレベルでの継続的な対話の重要性、環境分野全般における高い連携の可能性及びその分野でのビジネス連携の重要性と期待などが述べられました。ディスカッションの最後には、環境省から、1)技術移転、知識・ノウハウの共有、キャパビル、2)政策の実行、3)政府間及び民間の連携によるコベネフィット・アプローチという、3つのキーワードが重要という総括をいただきました。

本ウェビナーには、インド国中央汚染管理局(CPCB)、グジャラート州汚染管理局(GPCB)、マハラシュトラ州汚染管理局(MPCB)の政府機関の他、国際機関、日本の地方自治体、インドと日本の石油精製、エンジニアリング、精密機器等の企業、大学、研究機関等から約100名が参加しました。

イベントの詳細

日時
2021年12月9日 (インド時間11:30 – 13:00、日本時間 15:00 – 16:30)
会場

オンライン

後援
在インド日本国大使館
公益社団法人日本環境技術協会(JETA)
使用言語
英語
参加者
約100名

発表資料

セッション1: 開会セッション
15:00-15:10 歓迎の言葉 Girish Sethi (エネルギー資源研究所(TERI)エネルギー部門シニアディレクター)  
開会の挨拶 S K Paliwal (インド国中央汚染管理局(CPCB) Scientist E)  
杉本 留三 (日本国環境省(MOEJ)地球環境局 国際連携課国際協力・ 環境インフラ戦略室長)  
セッション2: テクニカルセッション
大気汚染対策:インド、日本、その他の国における成果と課題
15:10–16:00   本ウェビナーに関するフレーミング・プレゼンテーション
小嶋 公史 ((公財)地球環境戦略研究機関(IGES)関⻄研究センター プログラムディレクター)
PDF (1.4MB)
大気汚染管理・対策への取り組み – 日本・中国、および諸外国での経験
小林 剛士 (公益社団法人日本環境技術協会(JETA)海外委員会委員長)
PDF (1.6MB)
インドの大気汚染管理・対策への取り組み
 ・ 山崎 剛義 (東亜ディーケーケー株式会社 海外営業本部副本部長) PDF (1.5MB)
 ・ Kunal SONI (HORIBAインド 環境・プロセスセグメント National Sales Manager) PDF (1.6MB)
 ・ 河井 太志 (インド三井物産株式会社 エネルギー部部長) PDF (2.2MB)
グジャラート州における大気汚染対策(排出権取引スキーム)の取り組み
T C Patel (グジャラート州汚染管理局(GPCB) Nodal Officer-ETS)
PDF (1.6MB)
インド企業による汚染防止/環境改善対策に関する取り組み
Sushil Kharkwal (Alembic Pharmaceuticals Limited (Gujarat) Head EHS)
PDF (1.8MB)
セッション3: ディスカッション
インドの大気汚染問題を克服するために、インドと日本はどのように協力すべきか
16:00–16:30   モデレーター: Sumit Sharma (国連環境計画(UNEP) プログラムオフィサー)
  • T C Patel (GPCB)
  • V M Motghare (マハラシュトラ州汚染管理局(MPCB) Joint Director)
  • 小林 剛士 (JETA)
  • 吉田 勇輝 (在インド日本国大使館二等書記官)
 
セッション4: 閉会セッション
16:30–16:35 閉会挨拶  武内 和彦 (IGES理事長)  

写真

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