社会の中の鉱物資源の評価:人為的金属フローおよびサイクルの環境リスクと課題 政策決定者向け要約

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国際資源パネル(IRP)「Environmental Risks and Challenges of Anthropogenic Metals Flows and Cycles (Summary for Policy Makers)」の日本語翻訳版(暫定非公式訳)。グローバル金属フロー作業部会の報告書3「人為的金属フローとサイクルの環境リスクと課題」の要約版(サマリー)である。完全版報告書はCD-ROM版として配布されている(本資料の31ページを参照)。UNEP国際資源パネルは、包括的な観点から金属リサイクル問題に取り組んでいる。グローバル金属生産は、世界のエネルギー消費に多大な影響を及ぼしている。一次金属生産は地球全体の総エネルギー使用量の7-8%を占めており、加えて、地下水汚染、鉱山廃棄物、温室効果ガスや二酸化硫黄などの大気への排出、土地利用、生物多様性消失など、地域的に甚大な環境影響を引き起こしている。一次金属生産の環境影響削減のためには、BAT(利用可能な最善の技術)の活用をより進める必要がある。最終消費段階(使用後)におけるリサイクル率の改善により、二次金属市場の形成が促され、全体的な金属生産の環境影響緩和につながる。しかしながら、金属供給量全体の中で二次生産が有意な比率を占めるのは、グローバルな金属の需要が低く安定した後のことであり、かなり遠い未来と考えるべきである。今後数十年については、一次金属生産が供給の主要部分を占めるという図式は変わらない。すなわち、地球規模での一次金属セクターがより「グリーン」となることは今後も「必須課題」である。

著者:
International Resource Panel
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