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Event: 第15回日本LCA学会研究発表会講演要旨集
コンファレンスペーパー
パリ協定の実施やネット・ゼロを目指す自治体や地域の増加を踏まえ、ライフスタイルの転換への注目が高まっている。カーボンフットプリント研究により日本においても製品やサービスの購入を通じた間接排出量がライフサイクルGHG 排出の半分以上を占めることが明らかとなっている。しかし、ライフスタイル及び消費パターンは多様であるため、一国における平均値や合計値だけではこの課題を捉えきれない。国内における消費者間の差に着目した分析が望まれるが、既存研究は世帯人数、収入、年齢に着目した分析が殆どである。本研究では、全国消費実態調査の匿名ミクロデータを用いて日本における約47,000サンプル世帯の一人当たりカーボンフットプリントを推計した。さらに、推計したカーボンフットプリントに関し、高炭素型ライフスタイルの因子分析及び消費者セグメンテーションを行うことにより、多様なライフスタイルを踏まえた日本における家計消費のカーボンフットプリントの特徴を明らかにした。サンプル世帯の製品・サービス群ごとのカーボンフットプリントに関する探索的因子分析により「車のドライブと住居における趣味」「長距離レジャーと社交的消費」等の8つのライフスタイル因子を特定した。さらに、クラスター分析により15の消費者セグメントが特定され、セグメント間で最大5倍程度の差があることが明らかとなった。フットプリントの大きなセグメントは、自動車利用、物質的消費、長距離レジャー、非効率的な住居、小さな世帯人数等の高炭素型ライフスタイルの特徴を複数有していた。本研究のアプローチは、脱炭素型ライフスタイルへの転換を促進するにあたり、消費行動の多様性とその気候変動へのインパクトを把握するために有益である。
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