持続可能な開発目標(SDGs)ステークホルダーズ・ミーティング第16回会合 兼 第5回SDGs推進円卓会議環境分科会 「地球環境課題の統合的解決に向けたシナジーアプローチの好事例と世界への発信~ポストSDGsの議論も見据えて~」

2025年3月5日(水)13:00~15:00
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開催趣旨

2015年9月に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核をなす「持続可能な開発目標」(SDGs)は、2030年に向けて国際社会が目指す目標としての共通言語となり、世界はSDGs達成に向けた実施段階に入り、多くの取組が実践的に進められるようになりました。

SDGsステークホルダーズ・ミーティングは、国際社会及び国内におけるSDGsの実施状況を共有するとともに、環境側面からのSDGsの取組を推進するために、民間企業や自治体、NGOなどの様々な立場から先行事例を共有して認め合い、更なる取組の弾みをつける場として2016年度(平成28年度)から開催しているものです。


概要

本年度は、「地球環境課題の統合的解決に向けたシナジーアプローチの好事例と世界への発信~ポストSDGsの議論も見据えて~」をテーマに、SDGsに関する最新動向、シナジーの取組事例、及び「アジア太平洋シナジーレポート」(仮称)などを紹介しました。また、SDGs達成やその先を見据えシナジーアプローチを国内外でいかに発展させ進めるかについて、様々な有識者からなる持続可能な開発目標(SDGs)ステークホルダーズ・ミーティング構成員とSDGs推進円卓会議環境分科会委員を交えた議論を行いました。今回の議論では、ローカルな活動の進捗、シナジー効果、課題先進国のモデルなどを見える形で示していくことや、いかにシナジーやシナリオ作りにステークホルダーを巻き込んでいくかの事例を共有することで、その重要性を認識しました。また、SDGsに関して、大学から企業へと連動して教育、人材育成を行っていく必要性が指摘されました。

【SDGsの進捗、ポストSDGs】 

  • ○SDGs全体の進捗が芳しくなく、取組をギアアップしていかないといけない状況で、その一つのツールがシナジーをどう高めていくかだと思う。
  • ○たくさんのローカルな活動の進捗が皆に見える形でピックアップされるとよい。
  • ○里山等、アジアならではのシナジー効果があり、ポストSDGsの議論にも活用できるのでは。
  • ○ポストSDGsについては、社会的な課題をビジネスの機会として捉える考え方や、誰ひとり取り残さないと同時に誰もが貢献するという考え方、一人ひとりの尊厳を守っていくこと、課題先進国のモデルを示すことをきちんと打ち出す必要があると思う。2027年から国連で本格的な議論が始まる。
  • ○日本が提唱するシナジー・アプローチが、グローバル・レベルで議論されるようになってきたことは、大きな成果。Beyond SDGs の議論においても、シナジー・アプローチは重要なテーマになる。

【ステークホルダーの関わり方、役割】 

  • ○どんなシナジーを起こしていきたいか、10代、20代、30代の世代を入れたシナリオ作りやバックキャスティングの発想が重要。
  • ○ランドスケープアプローチ、企業・住民・アカデミア等が地域全体で取り組むことが、生物多様性向上、気候変動適応につながり、シナジーの好事例だと思う。
  • ○ジェンダーと気候変動に関し、JICAでは森林を管理するコミュニティグループを作る際、女性委員を入れる等、ジェンダーの視点を入れるようにしている。気候変動、ジェンダー、2つの主流化で何が一緒にできるか考える機会が増えている。
  • ○YEGでは環境省・内閣府・外務省等、色々な方との対話を通じビジョンを描き、行動してきたからこそ成果が出てきているが、このプロセスが重要だったと思う。
  • ○アカデミアの役割は、技術だけでなく評価システム・ツール開発という形での貢献も重要と感じた。JSTが進めている共創の場形成支援プログラムは、バックキャスティングでのシナリオ作り等でSDGsに貢献していければと思う。
  • ○YEG会員へは、いかにポジティブアクションであるか、企業、地域、家族の未来につながること、経済を通じて何を目指しているかをしっかり伝え、自らが模範となって取り組むことが大事と思う。
  • ○企業としてバリューチェーン全体で一緒にやっていきたいと思っている。コンセプトの共有や取組の方向性をそろえることが大事だが、良い方法はあるか。
  • ○様々な基本計画を一貫性のあるものにしていくことも必要では。例えば、今年は「『ビジネスと人権』に関する行動計画」の改定があるが、気候変動が人権を侵害することもあり、シナジーという形で企業行動に結びつくヒントになると良い。

【人材育成】 

  • ○ユースについて、国連大学はイオン環境財団と協力しCOPへの派遣等、人材育成を行っている。ビジネスセクターで就職後や学生段階でエンゲージいただけるとよい。
  • ○中小企業は人材確保も含めユースといかに接点を持っていくかが課題であり、社会と教育が連動して人づくりをしていくことを望んでいる。
  • ○国際情勢では多様性・包摂性に逆風が吹いており、SDGsへのネガティブな影響を恐れている。時間はかかっても、教育・人材育成の場で、国際協調できないだろうか。
  • ○SDGsに貢献する実感をどうやって持つのか、企業の一人ひとりが企業の取組という中で、自分の功績がどう評価につながるかということも重要ではないか。

 

発表資料

 

プログラム

 資料一括ダウンロード(圧縮zipファイル 22MB)
 議事次第 PDF (112KB)
資料1出席者リスト PDF (152KB)
 基調講演
  アルミダ・アリシャバナ 国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)事務局長 
資料2発表資料木村 麻子 持続可能な開発目標(SDGs)推進円卓会議 民間構成員 / 令和6年度日本商工会議所青年部直前会長 / 株式会社PR代表取締役PDF (6.7MB)
 SDGsに関する最新動向等について
資料3発表資料内藤 冬美 環境省地球環境局国際連携課長PDF (1.6MB)
資料4発表資料安藤 重実 外務省国際協力局地球規模課題総括課長PDF (410KB)
資料5発表資料谷 浩 内閣府地方創生推進事務局参事官PDF (777KB)
 地球環境課題の統合的解決に向けた好事例:SDGs達成やその先に向けた発信
資料6発表資料福田 美紀 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)サステイナビリティ統合センター 研究員PDF (1.5MB)
資料7発表資料蟹江 憲史 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授PDF (2.2MB)
資料8発表資料轡田 正幸 佐渡市役所 企画部総合政策課 SDGs推進主幹PDF (3.0MB)
資料9発表資料友岡 愛子 カナデビア株式会社 サステナビリティ推進室長PDF (5.0MB)
資料10発表資料三戸森 宏治 独立行政法人国際協力機構(JICA)企画部参事役・サステナビリティ推進室副室長(気候変動、自然担当)PDF (2.0MB)