持続可能な開発のための2030アジェンダと持続可能な開発目標(SDGs)の達成期限が近づいてきていますが、達成に向けた進捗は十分とは言えない状況にあります。一方で、都市では、SDGsを実施するために必要な取り組みが着々と行われており、地域に真の変化をもたらしています。SDGsのローカリゼーションの動きはグローバルレベルにも大きな影響を与えています。その一例がSDGsの達成に向けた進捗を評価する「自発的自治体レビュー(Voluntary Local Review, VLR)」です。
VLRはその作成の過程そのものに、持続可能な開発の3つの側面である経済、社会、環境を結びつけるという大きなメリットを有しており、まちづくりの包括的なアプローチを可能とします。そしてSDGsの進捗を振り返ることは、将来の行動計画にもつながります。
2018年に北九州市、ニューヨーク市、下川町、富山市が先駆的に実施したVLRは、SDGsの効果的なレビューとモニタリングの枠組みを作り、持続可能な地域づくりに向けた障壁を克服する一助となるものです。気候変動、新型コロナウィルス感染症など、前例のない課題への対応が急務とされている中で、2021年にVLRを発表する地方・地域政府の数は増加しました。というのも2021年のVLRは、これらの課題にどう取り組んでいくかについて、ポストコロナの復興の方向性を提示することに役立てられたからです。
本ウェビナーは、「State of the Voluntary Local Reviews 第3巻」の発表を記念して開催しました。「実施への障壁を乗り越えて」と題されたこの報告書では、2021年に都市が発表した36のVLRの分析を中心に、VLRの動向を分析しています。ウェビナーでは、報告書の主要なポイントを紹介するとともに、都市がVLRを実施する理由や、VLR実施後にどのような変化が起こったかについて議論する場を提供しました。スピーカーには、アスカー(ノルウエー)、バルセロナ(スペイン)、新北市(台湾)のVLR担当者を招き、各都市のVLRの経験、特にSDGsのローカリゼーションを推進する上でVLRが都市にもたらしたメリット、そして都市がVLR実施で得たものを最大限に活用する方法について共有しました。この公開討論会では、SDGsを地域レベルでどのように地域化し、モニタリングし、レビューするかについての洞察を得ることができました。
イベントの詳細
オンライン
IGES
E-mail: [email protected]
発表資料
開会挨拶 | |||
16:00-16:05 | 高橋 康夫 IGES 所長 | ||
VLRの概況: 実施の障壁を超えて | |||
16:05-16:15 | 「State of the Voluntary Local Reviews 2022: Overcoming Barriers to Implementation」報告書の主要ポイント Fernando Ortiz-Moya IGES 都市タスクフォース 研究員 |
PDF (3.5MB) | |
パネルセッション:VLR実施のメリット | |||
1. 都市からの報告 | |||
16:15-16:45 | Martin Hafsahl アスカー市国際協力・広報アドバイザー(ノルウェー) | PDF (2.3MB) | |
Ramon Canal-Oliveras バルセロナ市テクニカルプログラム室長(バルセロナ) | PDF (3.4MB) | ||
Chingyu Yao 新北市 事務局長 | |||
2. ディスカッション – VLRは都市に何をもたらしたのか? | |||
16:45-17:30 | 論点 |
|
|
参加者 |
|
||
モデレーター | 片岡 八束 IGES 都市タスクフォース プログラムディレクター |