日本が推進するサステナブルファイナンス関連政策のひとつの柱であるESG地域金融。そこで中心的な役割を担うことが期待されているのが、地方銀行や信用金庫をはじめとする地域金融機関です。
地域金融機関は、脱炭素社会への移行やSDGsの達成などのグローバルな課題に対応しつつ、持続可能な地域経済および地域循環共生圏を創出するなど、より具体的かつ挑戦的な役割を地域で担うことが期待されています。国際的潮流に加えて、国内での地方創生へ向けた動きなどを背景に、グリーン・ローンやサステナビリティ・リンク・ローン、SDGsコンサルティング、インパクト測定など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを後押しする金融商品およびサービスは広がっているものの、本部と現場の意識のすり合わせや、多様なステークホルダーとの連携などに難しさを感じているとの声も多く聞かれます。サステナブルファイナンスに先行して取り組む欧州の金融機関は、こうした課題にどのように対応しているのでしょうか。
今回のウェビナーは、ドイツのGLS Bankからパトリック・ヘルド氏をゲストに迎えます。GLS Bankは、ドイツ北西部のノルトライン=ヴェストファーレン州ボッフム市に本社を置く、1974年設立、総資産100億ドル(約1.12兆円)の地域に根差した共同組合銀行です。2020年1月以降すべての融資についてインパクト評価を行うなど、小規模ながら地域に根差したサステナブル・バンクとして先進的な事業活動を展開する同行に、地域金融機関によるESG地域金融への実践的な示唆をいただきます。
イベントの詳細
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IGES ファイナンスタスクフォース
セミナー事務局
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発表資料
事例報告 | 「ESGで本当に十分なのか~老舗サステナビリティ銀行の新たなアプローチ~」 パトリック・ヘルド (GLS Bank |ドイツ) |
PDF (2.8MB)【仮訳】 | |
解説 | 竹ケ原 啓介 (日本政策投資銀行) | ||
司会 | 森下 麻衣子(IGES) |
登壇者プロフィール
パトリック・ヘルド GLS Bank / インパクト透明性とサステナビリティ部門
社会環境問題について長年取り組む。ドイツのバイロイト大学ならびにパリにて哲学と経済学を学び、地域の難民支援活動に長く携わったほか、大学の討論部の部長を務めた。2016年には、バイロイト大学のグリーンキャンパスイニシアティブを立ち上げた。現在はグリーンピースならびにドイツ「同盟90/緑の党」のメンバーとして活動を継続。GLS Bankには2017年に入行し、環境政策に関するアドバイザリーやデジタルデザインなど、幅広い業務に従事。人々が金融に支配されるのではなく、金融は人々に仕えるべきものだとするGLS Bankが掲げるパーパスに深く賛同している。
竹ケ原 啓介 株式会社日本政策投資銀行 設備投資研究所エグゼクティブフェロー / 副所長 兼 金融経済研究センター長
1989年一橋大学法学部卒業、同年日本開発銀行(現(株)日本政策投資銀行)入行。フランクフルト首席駐在員、環境・CSR部長、産業調査部長、執行役員産業調査本部副本部長などを経て2021年より現職。DBJ環境格付融資の創設など環境金融分野の企画や産業調査に長らく従事。環境省「中央環境審議会」臨時委員、経済産業省「産業構造審議会」臨時委員など公職多数。企業のCSRレポート第三者意見執筆やマテリアリティ分析サポート、ESG、SDGsに関する講演など多数。共著書に「再生可能エネルギーと新成長戦略」(エネルギーフォーラム 2015年)、「気候変動リスクとどう向き合うか」(金融財政事情研究会 2014年)など。
Supported by:
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