No.1 拡大生産者責任の国際動向―ガイダンスマニュアル改訂版を中心として―

廃棄物資源循環学会誌
Vol. 29 No.1
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2001 年に OECD が『Extended Producer Responsibility:A Guidance Manual for Governments』(以下,ガイダンスマニュアル) を発表して 15 年が経過した。その間,拡大生産者責任 (EPR) 制度の数は大きく増加しており,2013 年の OECD の調査では,確認できた384 の EPR 政策のうち 70 % 以上が 2001 年以降に導入されたと報告されている。384 の政策の約 90 % は先進国での導入 (州単位を含む) であるが,近年は中所得国にも広がってきている。この間,EPR に係る研究・経験が蓄積される一方,新たな課題も浮上してきた。
EU のプロジェクトにおいても EPR 政策がレビューされ,実政策の経験の上で,指導原則が提案されている。同様に,OECD においても『Extended Producer Responsibility ― Updated Guidance for Efficient Waste Management』(以下,ガイダンス改訂版) を 2016 年 9月に発表した。これは 2001 年に発表されたガイダンスマニュアルを 15 年ぶりに改訂したものである。ガイダンス改訂版では,ガイダンスマニュアルの多くを継承しつつ,その後の EPR に係る施策展開・研究・経験を踏まえた情報が付け加えられている。
本特集は,こうした EPR の国際動向を含め,ガイダンス改訂版の内容を中心として学術的に議論を深め,EPR 政策の今後の課題と展望,そして日本への示唆を考察することを意図して企画された。

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