COP28までに、5回にわたって焦点を整理し予習するCOP28直前シリーズ、第1回はグローバル・ストックテイク(GST)です。パリ協定の進捗状況を5年毎に確認するGSTは、野心引き上げメカニズムの構成要素であり、第1回GSTはCOP28で終了するために、その成果が注目されます。本年9月に公表され、これまでの技術的評価をまとめた第1回GST統合報告書は、世界の気候行動が1.5℃目標と整合する道筋から外れており、今後の目標達成に向けて選択し得る対策の幅が急速に狭まっていることを指摘しました。GSTはCOP28で政治的局面を迎えます。各国政府は現在実施されている第1回GSTの成果を活用して2025年末までに提出する2035年の削減目標(NDC)を強化することが求められており、COP28では、世界の気候行動を軌道修正するような、削減目標の引き上げに資する成果が出せるかどうかに期待が集まりました。
本ウェビナーでは、2023年までの世界の気候変動対策における重要な焦点の一つとなっている第1回GST(2021年11月~2023年11月)について、これまでの交渉の進展、技術的評価のプロセスと9月に公表された第1回GST統合報告書を取り上げるとともに、東京大学 大学院農学生命科学研究科 森林科学専攻 森林経理学研究室 教授で、国立環境研究所 地球システム領域 物質循環モデリング・解析研究室 主席研究員の伊藤 昭彦氏をお迎えし、今後の議論の展望を解説しました。
参考:コメンタリー
第1回グローバル・ストックテイク(GST)の統合報告書:企業等の非政府主体の行動から各国の削減目標(NDC)引き上げ狙えるか
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発表資料
COP28直前ウェビナーシリーズ 第1回「政治的局面を迎えるグローバルストックテイク 世界の軌道修正成るか」 司会進行: 田村 堅太郎 気候変動とエネルギー領域 プログラムディレクター | |||
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5分 | 開会挨拶 | ||
20分 | 第1回GST国際交渉の解説 津久井 あきび IGES 気候変動とエネルギー領域 フェロー | PDF (2.4MB) | |
10分 | 質疑応答 | ||
15分 | 第1回GST技術的評価の解説 梅宮 知佐 気候変動とエネルギー領域 リサーチマネージャー | PDF (1.6MB) | |
10分 | IPCCに関与する科学者の立場から、第1回GSTへの期待と考察 伊藤 昭彦 東京大学 大学院農学生命科学研究科 森林科学専攻 森林経理学研究室 教授 国立環境研究所 地球システム領域 物質循環モデリング・解析研究室 主席研究員 | PDF (3.8MB) | |
30分 | 質疑応答 |