都市間連携による1.5℃ライフスタイルの醸成

22 July 2021 / 2021年7月22日(木)
第1セッション: ハイレベルセッション(High Level Session, 09:30 to 10:30 (CEST) ) / 16:30 – 17:30(日本時間)
第2セッション: ワークショップセッション 14:30 to 15:30 (CEST) / 21:30 – 22:30(日本時間)

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、国内外の研究機関と協力し1.5℃ライフスタイルプロジェクトを実施しています。この成果として2019年1月に英語版、2020年に日本語版で発表した1.5℃ライフスタイルレポートでは、地球温暖化を産業革命前と比べて1.5℃以内に抑えるとの目標(1.5℃目標)に対応する脱炭素型のライフスタイル(1.5℃ライフスタイル)を実現する選択肢を示しました。

1.5℃目標に対応するためには、私たちのライフスタイルに関連するカーボンフットプリントを、二酸化炭素等量(tCO2eq)で2030年までに2.5トン、2040年までに1.4トン、2050年までに0.7トンにする必要があります。2017年の世界平均では1人あたり4.6トンですから、2050年には現状の20%に抑えなくてはなりません。1.5℃ライフスタイルの実現は、簡単ではありません。

仮にすべてのエネルギー源を再生可能エネルギーに移行しても、必要なGHG排出削減量の半分程度しか達成できません。1.5℃目標を達成するには、現在の消費とライフスタイルを変えることが不可欠です。具体的には、製品ライフサイクルの各段階における廃棄物発生量の最小化、環境に配慮して設計・製造された製品を消費者が容易に選択できる状況の整備、製品を長期間使用の促進など、循環経済を目指す取り組みや様々な支援策が必要です。

都市は消費と生産の接点なので、1.5℃ライフスタイルを実現するうえで絶好の場となります。1.5℃ライフスタイルプロジェクトでは、世界5カ国6都市で市民参加のワークショップと家庭実験を行い、それぞれの都市にふさわしい、将来の脱炭素型ライフスタイルを検討してきました。ワークショップと実験では、脱炭素型の消費行動やライフスタイルを取り入れるために、市民の努力でできることがたくさんあることがわかりました。しかし、自治体や企業が、都市インフラの整備や新たな製品、サービスの影響などを通じて市民を支援すれば、より大きな転換が可能になることも明らかになりました。都市生活者のカーボンフットプリントの大部分(約75%)を占める6つの優先領域(食料、住居と移動、商品、サービス、レジャー)では、自治体やビジネスの支援策が特に効果的です。

このような問題意識を背景に、ICLEI World Congressのバーチャルイベントシリーズの一環として行われた本ウェビナーでは、以下の2つのセッションで議論を深めました。

セッション1は、ハイレベル対話です。消費ベース指標を活用する意義や、IGESがこれまで行ってきた1.5℃ライフスタイルに関する取り組みを紹介しました。続いて、政策決定者、研究者、ビジネスの対話で、持続可能なライフスタイルに向けた様々なステークホルダーによる連携・協調の重要性を議論しました。

セッション2は、1.5℃ライフスタイルを実施した5カ国6都市の専門家による対話を行いました。日本、ブラジル、インド、南アフリカ、タイのプロジェクトに参加した専門家が、それぞれの都市に住む人々のライフスタイルに関する定量的分析と、市民ワークショップ及び家庭実験の成果を紹介しました。続いて、都市ごとに異なるアプローチや、1.5℃ライフスタイルを実現する方法を市民が選択することの重要性を議論しました。

イベントの詳細

日付
22 July 2021 / 2021年7月22日(木)
第1セッション: ハイレベルセッション(High Level Session, 09:30 to 10:30 (CEST) ) / 16:30 – 17:30(日本時間)
第2セッション: ワークショップセッション 14:30 to 15:30 (CEST) / 21:30 – 22:30(日本時間)
会場

オンライン

主催
ICLEI World Secretariat
Hot or Cool Institute (Germany)
共催
Akatu Institute (Brazil)
Chulalongkorn University (Thailand)
ICLEI (South Africa)
Swechha India (India)
D-mat (Finland)
言語
英語
コンタクト

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
〒240-0115 神奈川県三浦郡葉山町上山口2108-11
TEL: 046-855-3720 E-mail: [email protected]
小嶋 公史、コダケ アディティ

発表資料

関連出版物

テクニカルレポート

本報告書は、ライフスタイル・カーボンフットプリント(※)を軸に私たちの日常生活での消費や行動が気候変動に与える影響を推定し、パリ協定の目標達成と豊かな暮らしの両立を探るものです。

※家計が消費する製品やサービスのライフサイクル(資源の採取、素材の加工、製品の製造、流通、使用から廃棄)において生じるGHGの排出量

IGESは、2019年2月にフィンランド・アールト大学およびD-matと共同で『1.5-Degree Lifestyles – Targets and Options for Reducing Lifestyle Carbon Footprints』を発刊し、日本、フィンランド、中国、ブラジル、インドの平均的な暮らしでの温室効果ガス(GHG)排出量や特徴...