今世紀の半ばに向けた数十年間において、我が国が温室効果ガスを実質的に排出しない経済・社会システムにパラダイム転換を図るための戦略として「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(令和元年6月11日 閣議決定)が策定されました。本長期戦略では、その実践において「利用可能な最良の科学上の知識に基づき、国土・気候・資源・社会システム等の制約や、気候変動がもたらす経済の負の影響と成長の機会等について、将来の情勢変化に応じて分析を行う。また、得られた情報を広く提供するとともに、長期的に社会を担う中心となる若者世代を含めたステークホルダーとの連携や対話を通じた参加を勧めることにより、更なる取り組みを促していく」としています。
この利用可能な最良の科学上の知識に基づく分析を行うにあたり、シナリオ・モデル分析は、将来の不確実性を踏まえつつ、日本全体の経済社会について複数のシナリオを想定し、脱炭素社会に向かう際の地域・企業にとってのチャンスとリスクを分析する有力なツールの一つとして考えられます。これは、EUを中心に長期戦略の策定等においても広く利用されている手法であり、我が国でも政策における活用の有用性や可能性等について検討されることが望まれます。さらに、ビジネス界においても、近年のESG投資の急速な拡大等を背景に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応をはじめとする気候変動対策に関する情報開示・評価のニーズが高まっています。企業は、気候変動対策に資する取り組みを、適切に「見える化」するために有用なシナリオ分析を進めつつあり、国のレベルでシナリオ・モデル分析に基づく情報、あるいはその背景データやツールを提供することは気候変動対策に取り組む企業への支援としても有用です。本シンポジウムでは、シナリオ・モデル分析に関する知見と課題の共有を目的とし、関連する国内外の機関や専門家等とともに、議論を深めます。
イベントの詳細
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発表資料
13:30 - 13:35 | 開催挨拶 | 駐日欧州連合代表部 | |
13:35 - 14:20 | 欧州連合長期戦略策定プロセスとシナリオ・モデル分析の役割について | ||
Peter Russ, JRC and Fabien Ramos, DG CLIMA(気候変動局) | PDF(927KB) | ||
Haris Doukas, Alexandros Nikas, NTUA | PDF(1.0MB) | ||
質疑応答 | |||
14:20 - 15:15 | 日本におけるシナリオ・モデル分析研究 | ||
大城 賢 京都大学 大学院工学研究科 都市環境工学専攻 | PDF(2.0MB) | ||
松尾 雄司 一般社団法人日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット エネルギー・経済分析グループ | PDF(1.5MB) | ||
小宮山 涼一 東京大学 大学院 工学系研究科 原子力国際専攻 兼 工学部システム創成学科 環境・エネルギーシステムコース | PDF(1.0MB) | ||
質疑応答 | |||
15:15 - 15:35 | 休憩 | ||
15:35 - 16:55 | 日本における企業、自治体における取り組み | ||
丹羽 弘善 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 サステナビリティストラテジー | PDF(1.1MB) | ||
吉本 尚起 株式会社日立製作所 研究開発グループ システムイノベーションセンタ 社会システム研究部 | PDF(2.2MB) | ||
飯塚 優子 住友林業株式会社 サステナビリティ推進室 | PDF(2.9MB) | ||
沼田 正樹 横浜市 温暖化対策統括本部企画調整部 | PDF(1.2MB) | ||
質疑応答 | |||
16:55 - 17:55 | パネルディスカッション | ||
モデレーター | 浜中 裕徳 地球環境戦略研究機関 特別研究顧問 | ||
パネリスト | Peter Russ, JRC and Fabien Ramos, DG CLIMA(気候変動局) | ||
大城 賢 京都大学 大学院工学研究科 都市環境工学専攻 | |||
松尾 雄司 一般社団法人日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット エネルギー・経済分析グループ | |||
丹羽 弘善 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 サステナビリティストラテジー | |||
吉本 尚起 株式会社日立製作所 研究開発グループ システムイノベーションセンタ 社会システム研究部 | |||
飯塚 優子 住友林業株式会社 サステナビリティ推進室 | |||
沼田 正樹 横浜市 温暖化対策統括本部企画調整部 | |||
17:55 - 18:00 | 閉会挨拶 | 三好 信俊 地球環境戦略研究機関 専務理事 | |
18:00 - | レセプション(どなたでもご参加頂けます。) |
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本イベントは、EUのパートナーシップインストゥルメントおよびドイツ連邦共和国環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMU)の国際気候イニシアティブ(IKI)による財政的な支援を受けて開催されます。本イベントで表明された意見は、発言者個人の責任に基づくものであり、必ずしも資金提供者の意見を反映するものではありません。