IGES関西研究センターは2018年10月18日にデリーの日本大使館で開催されたインド日本商工会(JCCII)の定例会議において、これまでインドのエネルギー資源研究所(TERI)と共同で実施してきた、インドでの日本の低炭素技術普及のための活動について紹介しました。この発表はインドの日本国大使館の支援により実現し、同会議には約150名のJCCIIメンバーが参加しました。
IGESとTERIは、日本国環境省の支援の下、2016年7月に「日本-インド技術マッチメイキングプラットフォーム(JITMAP)」を立ち上げ、日本の低炭素技術を有する企業とそれを求めているインド企業とのビジネスマッチングを支援しています。具体的には、特定の低炭素技術の認知度向上のための需要者向けのセミナーの開催、その技術の理解度を上げるためのエネルギー管理者やエネルギー診断士向けの研修ワークショップの開催、特定の工場等でのその技術の適用可能性を判断するための調査の支援、インド側企業のトップマネジメント層へのアクセスの支援、規制緩和のための関係者との協議の場の設定など、その活動は多岐にわたります。同会議では、これらの活動の具体例の一つとして、2018年8月にグジャラート州のアンクレシャワール工業会等と共催したワークショップにおいて、100社以上の中小企業の代表者に対し、Kobelco Compressors India社の圧縮空気システムやバンドー化学株式会社の省エネ伝動ベルトの省エネ効果等を説明し、多くの参加者から興味が示されたことも紹介しました。
発表後、同会議に参加していた複数の日本企業からJITMAPの活動に興味が示されました。また、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)を活用したJITMAPの活動の拡大や、日本大使館が推進している「ブルースカイ協力」との連携等、発展的な提案も寄せられました。これを受け、会議後にはJICAインド事務所とも今後の具体的な連携可能性について協議しました。これらを踏まえ、IGESはさらなるJITMAPの活動の拡充方策を検討していきます。
なお、今回のJCCIIでの発表以外にも、IGES-TERIは、株式会社日立産機システムの協力のもとカルナタカ州ベンガルルにおいて圧縮空気システムのトレーナー向け研修の開催及び2つの工場での技術適用可能性調査(FS)と、株式会社前川製作所の協力のもとアンドラ・プラデシュ州バヒマバラムにおいて電気ヒートポンプのFSと水産物輸出振興局(MPEDA)等との連携の可能性について協議しており、JITMAPの幅広い活動を支えています。
イベントの詳細
在インド日本国大使館
Plot No.4&5, 50-G Shantipath, Chanakyapuri, New Delhi 110021, India
発表資料
IGES-TERIによるインドにおける低炭素技術(LCT)およびベストプラクティスの普及・促進に関する取り組み | |||
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前田 利蔵
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IGES関西研究センター 副所長
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