*第21回ブループラネット賞及び2012年ケネス・E・ボールディング生態経済学賞受賞、エコロジカル・フットプリント分析共同開発者
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)と国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)では、「都市の脆弱性を考える:気候変動とグローバル化の観点から」と題した公開セミナーを開催しました。
SDGs(持続可能な開発目標)の策定から3年が過ぎ、日本国内での自治体やビジネス界を含む多くのステークホルダーからの認知も高まりつつあります。都市、企業、市民が解決策を求め、実行に移そうとしていますが、都市化の拡大、消費需要、変わりゆく生活スタイルなどは今でも化石燃料に大きく依存し続けています。
ウィリアム・リース教授の基調講演では、不確実な将来に直面した際のこのような矛盾を指摘し、持続可能な都市を実現する「解決策」であると私たちが考える既存モデルにおいて浮かび上がる問題を提起しました。省エネと実現可能な代替エネルギーの拡大に必要な政策やインセンティブとは、イノベーションを含めどのようなものでしょうか? 資源制約が進む中でエネルギーと資源への需要を最小化するために、循環経済(サーキュラーエコノミー)はどのような役割を果たすことができるでしょうか? 企業による投資を促し、持続可能な未来を支えるような新しいビジネスモデル、製品やサービスを、どうしたら増やしていくことができるでしょうか?
ウィリアム・リース教授は、世界の多くの都市が直面している資源制約、人口増加、食糧供給問題等の観点からのリスクや課題などを解説しました。リース教授の講演を踏まえ、地方公共団体、企業、研究者、一般の方々に、持続可能な都市の実現に向けた日本の課題や今後の方向性について議論していただきました。
リース教授の基調講演に先立ち、自然エネルギー財団気候変動グループマネージャーの西田裕子氏より日本の都市の現状について紹介いただきました。
ウィリアム・リース教授のご紹介
ウィリアム・リース氏は人類生態学者、生態経済学者であり、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学大学院コミュニティー地域計画科の名誉教授、また前研究科長です。リース氏は「エコロジカル・フットプリント分析」の考案者・共同開発者として世界的に著名であり、2012年には第21回ブループラネット賞及びケネス・E・ボールディング生態経済学賞を受賞しました(マティス・ワケナゲル博士と共同)。
IGES専門家インタビュー
本イベント後に、IGES持続可能な消費と生産領域プログラムディレクターのルイス・アケンジがリース教授にインタビューをしました。インタビュー動画はIGES Youtubeチャンネルにてご覧いただけます。
イベントの詳細
国連大学5F・エリザベス・ローズ国際会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70)» アクセス
IGES 持続可能な消費と生産エリア
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Fax: 046-855-3809
E-mail: [email protected]
発表資料
14:00-14:15 | 開会セッション |
竹本 和彦 国連大学サステイナビリティ高等研究所所長 |
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14:15-14:25 | イントロダクション | 日本国内の状況及び課題 西田 裕子 自然エネルギー財団 気候変動グループマネージャー |
PDF(2.2MB) |
14:25-15:15 | 基調講演 | 「都市の脆弱性を考える:気候変動とグローバル化の観点から」 ウィリアム・リース ブリティッシュ・コロンビア大学大学院 コミュニティー地域計画科名誉教授 |
PDF(635KB) |
15:15-15:30 | 休憩 | ||
15:30-16:30 | パネル・ディスカッション | モデレーター: ルイス・アケンジ IGES 持続可能な消費と生産領域プログラムディレクター |
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ウィリアム・リース ブリティッシュ・コロンビア大学大学院 コミュニティー 地域計画科名誉教授 | |||
西田 裕子 自然エネルギー財団 気候変動グループマネージャー | |||
梅田 靖 東京大学大学院工学系研究科教授 | |||
堀田 康彦 IGES 持続可能な消費と生産領域プログラムディレクター | |||
鈴木 政史 上智大学大学院地球環境学研究科教授/国連大学サステイナビリティ高等研究所シニア・リサーチ・フェロー | |||
16:30 | 閉会セッション |
森 秀行 地球環境戦略研究機関(IGES)所長 |