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アジアの国々は、居住環境の悪化、利用可能な水の減少および水の生態系サービスの損失につながる、深刻な水質汚濁問題に直面し続けている。これらの状況を考慮し、ガバナンスの観点から水質汚濁問題を解決することを目的とし、第3 回世界水フォーラムの場で日本国環境省によりアジア水環境パートナーシップ(WEPA)が提案された。WEPAでは2004年から、アジア13カ国のパートナー国(カンボジア、中国、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム)の協力のもと、水環境問題問題を解決するために、関係者の能力向上及び解決策の情報・知識共有を行ってきた。
アジア地域の水質に関する問題を解決するためには、関係者の間で共通認識を持つことが重要であることを考慮し、このイニシアティブで蓄積された情報及び知識、並びに人的ネットワークを活用して、
「水環境管理に関するWEPAアウトルック」を作成した。この報告書は、アジア地域の行政官、専門家及び水セクターのその他関係者を対象に、水環境の現状及び管理の状況に関する最新かつ有益な情報を提供することを目的としている。世界のその他の地域において水質問題に取り組んでいる関係者に有益な情報源として、2009年にイスタンブールで、2012年にマルセイユで、2015年に大邱・慶州でそれぞれ行われた世界水フォーラムの際に、本書は出版されている。
本書はその第4版にあたり、主に「第1章WEPAパートナー国の水環境管理の概況」及び「第2章WEPAパートナー国における水環境管理に関する国別情報」の2つの章によって構成されている。第1 章では、各国の水環境管理に関する制度の枠組みについての分析結果を概説する。第2章は、WEPAパートナー国それぞれの水環境管理の最新情報を提供する。また、これまでのWEPA年次会合及びワークショップで議論された持続可能な水環境管理を実現するために解決するべき現在の課題及び今後の取り組みについて示した「WEPAメッセージ」も掲載する。アジア水環境管理アウトルック2018は、ブラジル・ブラジリアで2018年3月に行われる第8 回世界水フォーラムに向けて出版される。以前の3つの版とともに、アジア地域のみならず世界の他の国で水環境問題に取り組んでいる人々にとって有益な情報となるとともに、アジア地域の持続可能な水環境管理に貢献することを願っている。
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