消費と生産の環境影響を評価する：重視すべき製品と物質　政策決定者向け要約

国際資源パネル（IRP）「Assessing the Environmental Impacts of Consumption and Production: Priority Products and Materials (Summary for Policy Makers)」の日本語翻訳版（暫定非公式訳）。本報告書は、生産と消費が環境および資源に及ぼす影響について、持続可能な資源管理に関する国際パネルが利用可能な最高レベルの研究をとりまとめたものである。世界中の消費活動、産業部門および第一次産業から得られる原材料（物質）について、環境影響および資源利用における優先項目を同定した。本報告書は、環境・資源政策を実際に問題とされる分野に方向付けを行う役割を果たす。環境影響は製品・物質のライフサイクルのすべての段階において生じる。こうした環境影響は、土地利用、燃料燃焼、工業プロセス、物質の散逸的な使用（肥料など）、資源採取（バイオマスや鉱物を含む）と関連していることが多い。また、本報告書では、国際貿易や経済活動の急増により、消費の環境影響が他国に転嫁されている点も考察した。最高の科学的情報をグローバルな視点で評価することにより、意思決定の基盤を改善し、意思決定者が大きな問題にまず着目するよう注意を向けさせ、時間、空間または環境影響の間での負荷の転嫁を避けるよう促すことができる。製品と物質の環境影響作業部会による作業計画は、資源パネルにおけるデカップリング、バイオ燃料、金属フローおよび水効率に関する別の作業と補完関係にある。