Brief Note of the High-Level Political Forum 2019 (HLPF2019) #Listen2cities 世界の課題解決には、地域の力が求められている

ブリーフィングノート
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2019年7月に、SDGsのレビューを行う年に1度の閣僚級会合である、ハイレベル政治フォーラム(HLPF)が開催され、2000人近くの参加者が、SDGsの進捗状況やベストプラクティスについて情報を交換し、今後取るべきアクションについて議論を展開した。本会合では、地域で実践されている地に足のついたソリューションへの注目が高まると同時に、自治体主体のSDGs実践やそのモニタリングに関する施策が聴衆の関心を呼んだ。IGES2018年に世界に先駆けて行った自発的自治体レビュー(VLR)、VLRに関するオンラインプラットフォームであるVLR Lab.も各国自治体の関心を惹き、実際に多くの自治体がVLRを実施していることが明らかになった。また、国連環境計画(UNEP)は、SDGs達成に向けたSMEs の巻き込みとその役割についてのワークショップを開催した。

上述の自治体の取り組みとSMEsの巻き込みを、総合的につなげるものとして、IGESが作成・発表を支援した太陽住建のSDGsレポートが現地で発表された。本レポートは、自治体による脱炭素・SDGs達成に向けた取組と方向性を理解するSMEsが、社会貢献とビジネス機会獲得をいかに両立し、地域と世界に貢献し得るのかを示している。自治体の明示的なSDGsへの取組を通じて、注力分野への投資を呼び起こし、地域のSMEsを活性化するきっかけにもなり得るとして、世界的にも先進的な事例として注目された。

SDGs実施の世界的な加速に向けては、地域のアクターの経験や教訓が重要であるものの、現状ではローカルとグローバルの間のコミュニケーションギャップが深い。研究機関や学術機関が橋渡すことによって、グローバルな課題に対する地域のソリューションを有効活用するとともに、地域ではできない政策内容の実施を国や世界レベルに求めていくことが必要ではないか

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