2025年12月9日に国連環境計画(UNEP)が発表した「第7次地球環境概況(GEO-7:Global Environment Outlook 7):私たちが選ぶ未来」において、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES=アイジェス)から計10名の研究員が執筆者およびアドバイザリーグループのメンバーとして貢献しました。IGESは過去のGEOにおいても執筆に参画するなど作成に携わってきましたが、今回はテクニカルパートナーとして、作成プロセス全般を技術的に支援しました。
GEOは、世界各地の専門家の協力をもとに、地球環境の現状と課題を科学的に評価し、革新的な政策対応策を提示する報告書です。今回のGEO-7では、世界82カ国から287名の専門家が参画し、気候変動、生物多様性の損失、土地劣化と砂漠化、汚染と廃棄物の危機がもたらす影響を評価しています。
報告書は、主に持続不可能な生産と消費のシステムに起因するこれらの相互に関連する危機が、単なる環境問題を超えて、私たちの社会的便益、経済的便益、さらには人間の幸福(well-being)を損なう原因となっていることを指摘しています。その上で、全政府的かつ全社会的対応(whole-of-government and whole-of-society approaches)で、大規模かつ迅速に取り組むことによって、変革的な解決策の道(transformative solution pathways)を実現することが可能であることを示唆しました。
こうした現状認識の上、GEO-7は、経済・金融、エネルギー、食料、循環経済、環境の5つのシステム変革を同時かつ統合的に進める必要性を強調し、各地域の実情に合った優先課題・政策対応策を提示しています。
また、IGESは、GEOシリーズのキーメッセージの周知を図るコラボレーティングセンターの役割も担っており、各国の政策決定者がGEO-7の知見をインタラクティブに学ぶための「科学-政策セミナー」のプログラムをUNEPと共同で開発しています。さらに、日本国内向けの情報提供の一環として、今後、GEO-7エグゼクティブサマリーの和訳を進め、解説セミナーを開催する予定です。