公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)関西研究センター(KRC)は、2022年10月20~21日に、地域循環共生圏ナショナルワークショップ「タイにおけるレジリエントで持続可能な地域社会のための地域循環共生圏(Regional-CES)コンセプトの促進」をタイで開催しました。
本ワークショップは、IGESとアジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の連携事業「地域循環共生圏に関する共同スコーピングプロジェクト」の一環で、タイを対象にアジア工科大学院Disaster Preparedness, Mitigation and Management(DPMM)を現地パートナーとして開催したものです。本ワークショップは、タイにおいてRegional-CESのコンセプトの認識向上を図り、レジリエントで持続可能な社会を実現するため、タイの現状に即した形で取り組みへのRegional-CESコンセプトの適用の可能性や、適用や取り組みに関する施策や制度、資源、情報等の課題や障壁、そのエントリーポイント等について情報交換と議論をすることを目的としました。
ワークショップでは、政策立案者、学術関係者、地域コミュニティーの実務者、研究者、国際機関専門家等、約45名が参加し、それぞれの実務・活動経験を共有しました。発表では、アンダマン沿岸地域における地震による津波被害からのコミュニティーレベルでの復興への取り組み等、タイで実施されている現地プロジェクト、国や地域レベルでの取り組みの紹介があり、その後、これらのタイでの取り組みと地域CESコンセプトとの統合の可能性、農村部と都市部の連携や現地のあらゆる資源の有効活用というような、実施対象エリア、ステークホルダー、資源、規模等、タイにおける潜在的なエントリーポイントについて検討しました。 特に、グループ別討議では、様々なバックグラウンドからの参加者が活発な議論を行えるように、必要に応じてタイ語の通訳を入れながら、テーマ別に1) 持続可能で気候変動に強い開発、2) 農村と都市の連携における水と食糧のネクサス(連環)、3) 地域資源を活用と農村・都市間の連携強化による開発・活動の活性化、の3グループに分かれ、各グループで’Regional-CESのコンセプトに沿った課題の抽出や優先順位の設定、開発計画の策定を共同でおこない、今後の取り組みへの機運が高まりました。
この地域循環共生圏の可能性を探るナショナルワークショップは、2023年にも東南アジアの対象国で開催する予定で、将来的には他のアジア諸国での開催も検討しています。
イベントの詳細
アジア工科大学院(ハイブリッド方式)
発表資料
写真