充足性 (Sufficiency)

日本LCA学会誌
Vol.15 No.2 特集号「持続可能な消費と生産」
コメンタリー

人間の福利を満たすレベルに充分な程度の経済発展や消費のあり方を希求する考え方。
持続可能性(Sustainability)に関連して充足性が議論される場合には、2つの大きな潮流がある。第1は、経済活動を際限なく拡大することへの反省を込めて、充足性が議論される場合である。ブータンの「Gross National Happiness」指標や、タイの「Sufficiency Economy(セータキット・ポーピアン)」の背景となっている。第2は、経済開発と資源利用ないしは環境負荷との「切り離し」に関する場合である。「切り離し」を実現する方法としては、これまで技術改良による効率性の改善が主流であったが、効率性の改善が消費や環境負荷の抑制につながらずに資源の総消費や環境負荷総量を高めてしまう「リバウンド効果」が指摘されるようになった。こうした場合の全体の影響を抑制する考え方として充足性が議論されている。Planetary Boundaryの考え方や、パリ合意に盛り込まれた脱炭素の考え方の背景となっている。

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