炭素税等に関する先進事例における政治的プロセス分析と日本における議論の論点構造の分析

Event: 環境経済・政策学会2016 年大会
Date: September 10-11, 2016
コンファレンスペーパー

1990年頃より北欧を中心に欧州に拡大した炭素税やエコロジー税制改革(炭素税等)に続き、日本においても、2012年より温暖化対策税としてすでに炭素税が導入されることになった。しかし、欧州の先進事例においては、日本と異なり、価格シグナルとして機能しうるほど税率が高く、かつ二重の配当を意図して税収中立とされていることが多い。このような炭素税等のあり方は、日本のNDCや長期目標達成に寄与すべく、現行の温暖化対策税の将来像の一面を提示しているといえる。しかし、日本におけるこれまでの炭素税をめぐる議論を背景とすれば、欧州の先進事例のような炭素税等を日本において実行するのは容易ではなく、これはそのような導入国においても同様であり、反対派との激しい議論の末に導入が実行されたことが多いと考える。そこで、まず、これらの先進事例国を対象とした事例研究を実施し、炭素税等の導入に至る政治的な議論を整理、分析し、日本における議論との違いを把握することにより、日本において先進事例並みの炭素税等を実現するためにはどのような政治プロセスが有効であるかを検討した。次に、日本において産業界を中心に主張された炭素税等に対する反論を整理するとともに、その論理構造を示すことで、炭素税等を推進していくために必要な論理武装の方向性を検討した。

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