環境省、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、九州大学およびACAPは、国際応用システム分析研究所(IIASA)の協力を得て2021年1月25日(月)にオンラインで国際ワークショップ「アジア諸国は大気汚染と気候変動にどのように対処できるのか? 影響の評価から対策の実施へ」を開催しました。
気候変動は、アジアの10億人以上の人々の健康と福祉に対する脅威となりつつあります。再生可能エネルギーの導入、エネルギー効率化、その他の部門別政策などの気候変動緩和戦略は、大気質の改善、公衆衛生の改善、社会経済の発展といった追加的な便益(コベネフィット)を生み出す可能性があります。これらのコベネフィットは、気候管理プログラムのコストを相殺し、アジアの持続可能な開発を実現するのに役立つ可能性があります。しかし、政策立案者は、コベネフィットの可能性を評価するための分析手法や実務経験が不足しているためにこのような可能性を十分に活用できないことが多いのが現状です。
本ワークショップでは、日本、中国、韓国およびヨーロッパから国際的に著名な研究者を集め、コベネフィットの概念、コベネフィットを定量化するために必要なツールや手法、各国の事例に関する研究知見を紹介するとともに、日本、中国、韓国における政策実施の事例を交え、コベネフィットを政策に活かしていくうえでの今後の展望について議論を深めました。
イベントの詳細
オンライン
IIASA日本委員会事務局
公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)
Tel: 046-855-3852
Fax: 046-855-3809
Email: [email protected]
発表資料
イベント概要
オンライン
IIASA日本委員会事務局
公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)
Tel: 046-855-3852
Fax: 046-855-3809
Email: [email protected]
プログラム
14:00-14:10 | 歓迎挨拶 | 山崎寿之、環境省水・大気環境局総務課国際協力推進室長 | |
14:10-14:30 | 導入セッション:コベネフィットの中心的概念とその適用 | ||
エリック・ザスマン、地球環境戦略研究機関(IGES) | |||
モデレーター
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フーマン・ファルザネ、九州大学 | ||
14:30-15:10 | セッションI:気候変動のコベネフィットと持続可能な開発の定量的モデリング | ||
モンゴル・ウランバートルにおける高効率熱専用ボイラー利用のエネルギー・環境・公衆衛生・経済統合評価 フーマン・ファルザネ、九州大学 |
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イランにおけるエネルギー効率と環境に関する政策コベネフィット ヤドラ―・サボーヒ、イラン シャリフ工科大学 |
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モデレーター
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エリック・ザスマン、IGES | ||
15:10–15:30 | ブレーク | ||
15:30-16:00 | 特別基調講演 | アジアにおける都市部と農村部の大気汚染の相互作用と協調的行動がもたらす複数の開発効果 ズビグニェフ・クリモント、国際応用システム分析研究所(IIASA) |
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16:00-17:00 | セッションII:気候変動緩和戦略のコベネフィット | ||
韓国における再生可能エネルギー政策によるコベネフィット チェ ヨーラ、韓国環境政策・評価研究院 |
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日本における再生可能エネルギー政策によるコベネフィット 高井悦二郎、IGES |
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中国における再生可能エネルギー政策によるコベネフィット マオ シャンチャン、北京師範大学 |
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モデレーター
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小嶋公史、IGES | ||
17:00-17:10 | ブレーク | ||
17:10-18:10 | セッションIII:コベネフィットの新たな視点 | ||
日本の低炭素技術と東南アジアとの連携。コ・イノベーションとコ・ベネフィット ナンダ・クマール・ジャナルダナン、IGES |
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生物多様性コベネフィット:分析的研究から行動志向研究へ 赤星 香、IGES |
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持続可能で公正な社会のための社会的コベネフィットの創出 イ ソヨン、IGES |
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モデレーター
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スベス・バタチャリヤ、英デモンフォート大学 | ||
18:10-18:30 | 閉会の言葉 | エリック・ザスマン、IGES |