気候変動、生物多様性の損失、汚染など、いわゆる「3つの世界的な危機」に対処するため、バリューチェーンを通じた循環経済と資源効率(CERE)の強化が、ますます重要となっています。企業はこれらの野心的な気候・環境目標の達成において重要な役割を果たすことができると考えられています。 この点に於いて、日本政府は経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)とともに、2021年3月に「循環経済パートナーシップ(J4CE)」を立ち上げ、官民連携を着実に強化してきました。
本セミナーでは環境省、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)、世界経済フォーラム(WEF)の共催のもと、日米の経済界や国際機関によるCEREの優良事例を紹介を交えつつ、民間セクターにおけるCEREの取組みを通じていかに地球規模の気候変動対策を加速させるのか検討が行われました。
日本政府から、2023年6月のG7広島サミットで承認された循環経済・資源効率原則(CEREP)について、また、WBCSDから、2022年6月のストックホルム+50で提示・採択されたグローバル循環プロトコル(GCP)が紹介されました。パネル討論では、登壇企業から経営戦略や新たな循環ビジネスの創出、ステークホルダーとの協力・連携等、企業活動への循環経済の統合の取り組み事例が紹介されたほか、民間セクターにおけるCERE推進における課題や解決方法、CEREP/GCPや各国政府・国際機関の役割や期待等について議論が交わされました。
成果
議論では、各国の規制・基準の違いや共通の循環性評価手法・指標・定義等の不在がグローバルな循環ビジネス拡大の障壁との認識が共有され、GCPを通じたこれらの調和が公正な競争環境の実現、企業やバリューチェーンにおける循環性の可視化、資金動員等を通じ、課題克服に資するとの期待が示されました。また、各種主体との連携や、開かれた循環経済に向けた国際協力と政府・国際機関の役割、政策の一貫性、各国の取組みや情報アクセスの格差の克服等の重要性が議論されました。
各国でCE移行を進めるCEREPと企業のアカウンタビリティ・ツールとしてのGCPとの相互補完関係と、今後の連携強化の重要性が確認されました。
議論のサマリー(英語) PDF(145KB)
イベントの詳細
ジャパン・パビリオン
発表資料
UAE時間 | 内容 | ||
14:45-14:48 | 導入・説明 進行 | ||
モデレーター | ジェニー・デービッド・ペコウド Bain & Company サステナビリティプラクティスファウンダー | ||
14:48-14:56 | 開式挨拶 | 松澤 裕 日本国環境省地球環境審議官 | |
ビビアン・ハイネン閣下 オランダ王国環境大臣(ビデオメッセージ) | |||
14:56-15:00 | 集合写真 | ||
15:00-15:12 | プレゼンテーション | ||
CEREPプレゼンテーション | 吉田 諭史 日本国環境省国際資源循環企画官 | ||
GCPプレゼンテーション | ドミニク・ウォーレイ WBCSD エグゼクティブヴァイスプレジデント | ||
15:12-15:57 | パネルディスカッション | ||
モデレーター | ジェニー・デービッド・ペコウド Bain & Company サステナビリティプラクティスファウンダー | ||
パネリスト | 吉田 諭史 日本国環境省国際資源循環企画官 | ||
ドミニク・ウォーレイ WBCSD エグゼクティブヴァイスプレジデント | |||
パスカル・ウォートレット エイブリィ・デニソン コーポレーション ヴァイスプレジデント | |||
岸本 道弘 日立製作所 グローバル環境事業統括本部 環境戦略ダイレクター 理事 | |||
大塚 友美 トヨタ自動車 サステナビリティ推進室統括 執行役員(オンライン参加) | |||
フェルナンド・ゴメス 世界経済フォーラム 自然気候センター資源システム・レジリエンスプログラム ヘッド | |||
15:57-16:00 | 総括挨拶 | 松澤 裕 日本国環境省地球環境審議官 | |
ドミニク・ウォーレイ WBCSD エグゼクティブヴァイスプレジデント |