IGESでは、国際社会で注目を集める環境・持続可能性に関する主要報告書をタイムリーに翻訳し、特集ページ「IGES日本語で読むシリーズ - 世界の環境関連の重要文書を日本語でチェック!」で紹介しています。
これらの報告書の内容をコンパクトに説明する「IGES日本語で読むシリーズ」解説ウェビナーの第3回は、森林宣言アセスメントパートナーズ*が2022年に発表した報告書「Forest Declaration Assessment: Are we on track for 2030?(森林宣言評価:我々は 2030 年に森林の世界目標を達成できるか?)」を取り上げました。
気候変動による気温上昇を1.5度に抑えるためには、森林減少からの排出の抑制が不可欠です。報告書は、2014年の国連気候サミットで採択された「森林に関するニューヨーク宣言(NYDF)」や2021年の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で発表された「森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」など、2030年までに森林減少・劣化をゼロにするという世界目標への進捗を評価するものです。世界は、NYDFで示された2020年までに天然林の減少を半減させるという中間目標を達成できませんでした。そのため、森林宣言アセスメントパートナーズは、世界が2030年森林減少ゼロへの軌道に確実に乗れているのかを注視しています。
報告書は、目標達成への進捗が不十分であることを明らかにする一方、持続可能な生産と開発、資金、ガバナンスの観点から、政府・企業・市民が早急に取り組むべき具体的な課題・施策を示しています。IGESでは報告書のサマリーを翻訳し、2023年6月に日本語版を出版しました。ウェビナーでは、報告書のサマリーを翻訳したIGES研究員が内容を解説したほか、私たちの生活との関連や日本社会への示唆について議論を深めました。
*森林宣言アセスメントパートナーズ:「森林に関するニューヨーク宣言(NYDF)」を受けて、署名国や賛同企業の宣言達成に向けた取り組みを科学的かつ中立的に支援するためにNGO・研究機関が結成した「NYDFアセスメントパートナーズ」を前身とする国際ネットワーク。IGESもパートナーの一員として進捗評価に貢献しています。
イベントの詳細
オンライン
発表資料
森林宣言評価:我々は 2030 年に森林の世界目標を達成できるか? | |||
司会進行: |
山ノ下 麻木乃 IGES 生物多様性と森林領域 ジョイント・プログラムディレクター | PDF (1.1MB) | |
12:15-12:40 | 藤崎 泰治 IGES 生物多様性と森林領域 主任研究員 | PDF (1.4MB) | |
梅宮 知佐 IGES 生物多様性と森林領域 リサーチマネージャー | PDF (706KB) | ||
12:40-12:50 | ディスカッション | 本レポートが日本に与える意味合い | |
12:50-13:00 | 質疑応答 |