地域循環共生圏枠組み適用の可能性を探るナショナルワークショップ・インドネシア開催

2023年5月10日~11日(10日: 現地時間8:45~18:00、11日: 9:00~16:30)

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)関西研究センター(KRC)は、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の連携事業「地域循環共生圏(Regional-CES)に関する共同スコーピングプロジェクト」の一環として、2023年5月10~11日に、地域循環共生圏ナショナルワークショップ「統合的な地域計画と包括的な行動を通じたSDGsのローカリゼーション(現地化)に向けた都市と農村の連携強化」をインドネシアで開催しました。

本ワークショップは、インドネシアでのRegional-CESコンセプトの普及と認識向上を図り、レジリエントで持続可能な社会を実現するため、インドネシアの既存の施策や現状に即した形での本コンセプトの適用の可能性を探ることを目的として開催しました。本ワークショップには、中央省庁、州・地方政府機関、地域・都市計画のプロフェッショナル団体、大学・研究機関、NGO等の関係者が参加し、それぞれの実務や取り組み経験に基づく経験や知見等の共有を行いました。開催にあたり、インドネシア大学(UI)とインドネシア都市・地域プランナーズ協会(IAP)、開催地のデポック(Depok)市から多大なるご支援とご協力をいただきました。また、次世代の育成にも着目し、大学院生に実行委員として準備段階から本事業に参加してもらう取り組みもおこないました。

ワークショップ1日目は、Regional-CESのコンセプトの紹介を行ったうえで、インドネシアの既存の施策や現状を参加者で共有しました。その後のデポック市内視察では、農村地区、大規模市民公園(アルン・アルン(Alun-alun))、旧デポック遺産地区を視察し、水田では農業管理部門の職員や農業従事者から稲作の収穫、担い手、土地の管理等について直接話を聞く等、同市の現状を把握する機会となりました。ワークショップ2日目は、都市と農村の連携に関する研究やプロジェクトの実施例や成果等について共有した後、1) よりレジリエントな都市圏を目指す都市と農村の融合的な空間計画、2) 気候変動や災害を低減するための包括的な行動計画、3) 農村の活性化と発展のための都市と農村の連携、の3グループに分かれてグループ別討議をおこないました。並行して、学生たちが発表する学生セッションも開催しました。

本ワークショップの総括では、取り組みや事例の発表と討論だけでなく、現地視察やグループ別討論の実施を通じてワークショップのテーマが深まりより充実したこと、開催地のデポック市に加えて、西ジャワ州、ボゴール、ジャカルタやバンドン等の政府機関から参加を得て様々な取り組み事例を共有し学ぶ機会となったこと、また、それらの政府機関にRegional-CESのコンセプトに関する理解を深めていただき取り組みへの機運が高まったこと、大学院生を参加させることにより次世代の育成につながったこと等の成果が報告されました。さらに、デポック市から今後のこのような取り組みへの前向きな姿勢が示されたことが大きな成果として示されました。

IGESでは、この地域循環共生圏の概念をアジアの国々に普及する取り組みを、今後も他のアジア諸国で展開することを検討しています。

イベントの詳細

日時
2023年5月10日~11日(10日: 現地時間8:45~18:00、11日: 9:00~16:30)
会場

10日: Kepok市役所、11日: インドネシア大学 (両日共ハイブリッド方式)

協力
インドネシア大学工学部
インドネシア都市・地域プランナーズ協会
使用言語
英語(学生セッション等、一部の発表はインドネシア語)
参加者
10日:約180名(内オンライン約85名)、11日;約110人(内オンライン約55名)
アジェンダ

発表資料

写真

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