国立環境研究所(NIES)では、国内外、特にアジアの研究機関と協力して、統合評価モデルであるAIM(アジア太平洋統合モデル)の開発と各国への適用を、30年近く実施してきました。その結果、インドネシアやタイでは長期戦略の策定においてAIMによる計算結果が活用されています。このほか、ベトナムに対しても2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする分析結果の提供を行うなど、アジアのいくつかの国における気候政策に貢献しています。2021年に閣議決定された地球温暖化対策計画においても「アジア太平洋統合評価モデル(AIM)による長期戦略策定支援、NDC 改訂支援、民間企業の制度構築及び実施能力向上を支援し、相手国の野心の向上や脱炭素に向けた取組の強化に貢献する。」と記載されるなど、アジア各国におけるエビデンスに基づく政策決定に対してAIMの貢献が期待されています。その一方で、シナリオ研究が脱炭素社会の実現に向けて貢献するためには、社会の変化や具体的な取り組みなどを取り扱うことが可能となるように、AIMで取り扱うモデルも、これまでのような技術選択モデルと経済モデルに加えて、より詳細なモデルを開発したり、分析手法そのものも進化させる必要があります。
本フォーラムでは、AIMによる各国の取り組みについて研究内容を紹介するとともに、政策決定者などのステークホルダーからシナリオ研究やAIMの今後に対する課題や期待についての意見を共有することで、シナリオ研究から得られる知見をどのように社会に実装させて脱炭素社会を実現するか、そのための共通基盤としてのAIMをどのように発展させるかを明らかにしていきます。
イベントの詳細
発表資料
13:30-13:40 | 開会挨拶 |
司会:Marissa Malahayati 国立環境研究所(NIES) |
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木本 昌秀 NIES 理事長 武内 和彦 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES) 理事長 |
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13:40-14:00 |
基調講演
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増井 利彦 NIES 社会システム領域 領域長 西川 絢子 環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室推進官 |
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14:00-15:30 |
セッション1: 脱炭素社会に向けて
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座長:花岡 達也 NIES 社会システム領域(地球持続性統合評価研究室)室長 パネルディスカッション: Jiang Kejun Ucok W.R. Siagian 加藤 真 一般社団法人海外環境協力センター(OECC)理事
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15:30-15:45 | 休憩 | ||
15:45-17:15 |
セッション2:政策支援ツールとしてのAIM
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座長:有野 洋輔 IGES 戦略マネージメントオフィス 研究員 パネルディスカッション: Chin Siong HO Bundit Limmeechokchai 石川 智子 IGES 戦略マネージメントオフィス ナレッジ・コミュニケーション ジョイントディレクター |
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17:15-17:30 |
会議総括
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グローバルの観点と持続可能性 花岡 達也 NIES 社会システム領域(地球持続性統合評価研究室)室長
政策支援の観点から 有野 洋輔 IGES 戦略マネージメントオフィス 研究員 |
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17:30-17:35 | 閉会挨拶 |
森口 祐一 NIES 理事 |