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かつて世界市場の過半を占めた日本の太陽光パネルメーカーのシェアは大幅に低下し、拡大する電気自動車の世界市場では上位 10 社に日本メーカーの姿はありません。電力供給に占める再生可能エネルギーの割合は 20%あまりにとどまり、石炭火力への依存が続いています。脱炭素・脱化石燃料に向けた必要な改革と投資が遅れています。日本の脱炭素に向けた構造改革は滞り、気候変動対策の野心的目標や、再生可能エネルギー拡大のための制度改革や送電網整備は遅れています。二酸化炭素排出に価格をつけるカーボンプライシング(炭素の価格付け) の導入も先送りされています。今や日本の気候・産業政策は世界の周回遅れで、ガラパゴス的状況です。本書は、世界各国の動きや地域からの取り組みを視野に入れて、脱炭素で豊かな経済への移行の課題を考察しています。
<目次>
1.はじめに 日本の気候変動政策への違和感 ガラパゴス化する日本の気候・産業政策
2.サステナビリティとSDGsを考える
3.戦争と気候危機 ロシアのウクライナ侵攻で懸念される環境・気候破壊
4.資本主義をやめないと、気候危機は止まらないのか?
5.イギリスでのCOP26の結果が示すもの
6.ドイツのG7サミットから 日本政府は「気候クラブ」にどう関与するか
7.アンモニアと水素は脱炭素社会の切り札になるか?
8.地域からの脱炭素化への取り組み
9.2050年ネットゼロ社会移行の課題 主としてガバナンスの観点から
10.コロナ後及びカーボンニュートラルに向けての新しいエネルギー政策
11.おわりに
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