二国間クレジット制度(JCM)のレビュー: 日本政府、途上国政府、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の三者の視点から

ディスカッションペーパー
二国間クレジット制度(JCM)のレビュー: 日本政府、途上国政府、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の三者の視点から

日本政府は2013年より、二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism、以下JCM)を積極的に推進しており、2014年3月現在、10カ国がJCMに署名している。JCMは、優れた技術、システム、インフラ等や資金を日本が途上国に提供してGHG削減を行い、その削減量の一部を日本の削減として計上するというものである。JCMは実質的にその運用が開始されたばかりであるが、制度自体が常に変化を続けていることを考えると、現段階でのJCMに関する情報を整理、かつその情報に基づいたレビューが有用である。本ペーパーでは、JCMは日本政府、途上国政府、国連気候変動枠組条約の三者による「期待」を満たすことが必要であるという考えに基づき、三者によるJCMへの期待が何であるか、また、その期待がどの程度満たされているかという点に関しての分析を行った。その結果三者それぞれの期待をある程度満たしつつあるものの、今後その可能性をさらに拡大していくためには、署名国の差別化、日本側の資金源の多様化、ホスト国側のJCM運用に関するより積極的な参画等を通した改善の余地があることが明らかとなった。

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