地域脱炭素化とそれを通じた地方創生には、地域においてそれをリードできる人材(環境人材、グリーン人材、GX人材など)の育成が重要です。本検討会では、大学における環境人材の育成および地域との連携のあり方について、全6回にわたり検討します。これまで、第1回~第4回検討会では、以下の点が議論されました。
1. 検討会の対象スコープ:必要な人材層の厚み確保
地域脱炭素化の実現には、エネルギー管理などの専門人材、事業創出ができるリーダー人材に加え、地域関係者との調整や合意形成ができるコーディネート人材も不可欠です。これら人材のすそ野を広げ、層に厚みを持たせることが求められています。
2. 大学に求められる教育の方向性:学際的な学びと実践の往還
大学教育では、地域課題の解決や地域資源活用ビジネスの創出に対応するため、環境・経済・社会・技術などの分野横断的な学際的教育が重要です。また、実際の地域課題をテーマにしたPBL(課題解決型学習)や、地域での事業創出・起業を視野に入れた学習が有益であり、大学には理論と実践と対話が循環できる学習機会の提供が求められています。
3. 大学と地域・企業との連携による実践の場づくり:体制整備とコーディネート人材の配置
安全に理論と実践と対話の循環(良質なチャレンジ)ができる地域の場(フィールド)を学生に提供するには、大学と地域関係者との連携が不可欠です。この連携構築にかかる時間と労力を、教員個人や研究室単位に任せるのではなく、大学主導で実施体制を整備し、その意義付けを明確にすることが求められます。また、調整の核となるコーディネート人材の配置や、教職員が関連情報を学ぶ機会を設けることも必要です。
4. 変化を生み出す人材を支える資金の流れとエコシステムの構築
変化を生み出す人材育成には、それを支える資金の流れと変革の担い手を応援するエコシステムの構築も必要です。具体的には、大学が地域連携の方向性(ビジョン)や具体例を示すことで、挑戦する人材と支援者の可視化・挑戦プロセスの共有が可能となります。結果、それに共感する企業との長期的な信頼関係の構築や新たな出資につながります。また、企業と連携したリカレント教育プログラムの創設も一つのアプローチです。
5. ローカルやソーシャルな仕事に関心のある人材のキャリア形成支援
ローカルやソーシャルな仕事に関心のある人材を確保するため、大学卒業後に大手企業などに就職した人が、将来的に地域現場に戻って来られるよう、大学時代に地域とのつながりや基礎的な経験を培っておくことが効果的です。具体的には、地域の受け皿となる企業などへの学生インターンシップを提供することや、大学の同窓会やキャリアセンターが企業と継続的に情報を共有し、人材と企業のマッチング支援をすることが求められます。
6. PBLなどによる学習効果の可視化
地域脱炭素化や持続可能な地域づくりにつながる合理的な地域課題解決の提案には、地域や地域課題への深い理解(高い解像度)が重要です。大学は、PBLなどの体験型学習プログラムの提供を通じて学生の能力を育成するだけでなく、学習効果を評価する自己評価ツールなどを導入し、学生の理解度や、講師・プログラム自体の評価の可視化、継続的な改善を図る仕組みの導入が求められます。
第5回検討会では、これまでの第1回~第4回の議論を踏まえ、環境人材育成に向けた各大学での実施可能性や課題、さらにそれを後押しするための施策について議論を深めました。
イベントの詳細
オンライン(Zoomウェビナー)
地域脱炭素化に向けた大学における環境人材育成の検討会事務局(大学等コアリション・地域ゼロカーボンWG事務局)
Email:[email protected]