まるごと楽しむ葉山生活 ~スタート編~ - SDGsをツールとして、協働で未来像を考えるワークショップ -

(日本標準時)

冒頭にKIF清水氏よりワークショップの趣旨と流れについて説明があり、続いてIGESの高橋、武田、片岡より、SDGsの概要や北海道下川町でのSDGsへの取組について紹介がありました。これを踏まえて、参加者全員から、自己紹介をかねて、SDGsの17の目標と各自の活動との関わりや関心のある目標についてお話し頂きました。次に、参加者の取組や関心のあるテーマとSDGsをもとに5つのグループに別れて、ワールドカフェ形式のグループワークを行い、それぞれのテーマに関連する葉山の魅力、こうした魅力を将来に向けてさらに高めていくためにできること、そして他のテーマとの関わりについて討論しました。最後に、各グループから全体に討論の結果を共有し、今後の展開に向けた全体討論を行いました。

31名の参加者の自己紹介の中で、所属する団体の取組に関連するSDGs、関心のあるSDGsを挙げて頂いたところ、目標15「陸の豊かさ」、12「責任ある消費と生産」、4「質の高い教育」、17「パートナーシップ」、ならびに3「健康と福祉」について取組や関心のある団体・個人が多いことがわかりました。参加者が所属する団体の主だったものは、(一社)SDGs活動支援センター(以下五十音順)、NPO法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター、NPO法人環境ファミリー葉山、NPO法人葉山環境文化デザイン集団、NPO法人HAYAMA GLOBAL、NPO法人葉山まちづくり協会、親子の日普及推進委員会、鎌倉市議会、社会福祉法人子育ちの里・食と遊(葉山にこにこ保育園)、逗子・葉山地域エネルギービジネス研究所、生活リハビリクラブ葉山、ゼロ・ウェイストを考え・進める会、NOVA建築計画研究所、葉山芸術祭実行委員会、葉山町議会、葉山町政策課、葉山町赤十字奉仕団、葉山山里会、までいなマーケット、三浦半島「自然ふれあい楽校」などでした。

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5つのグループに別れて、それぞれ「食・健康・教育」、「森・里」、「水・川・海」、「まちづくり」、「エネルギー」の5つの観点から、葉山の魅力と今後できることについて討論しました。里・海からの新鮮で豊かな食材、山里海の連なる美しい景観、季節を感じる快適な居住環境、子どもも大人も高齢者も楽しめる遊び場、葉山芸術祭、マーケットや祭りなどのイベント、多様で寛容な人々、女性の力などが魅力として挙げられました。さらに、今後こうした魅力を高めていくためにできることとして、地場食材の市場や流通、情報提供の改善、景観保護、森林・河川の整備、売り手と買い手双方からのゼロウェイストへの努力、自然の中での環境教育、空地・空き家を活用した活動や話し合いの場づくり、間伐材や生ごみなどのバイオマス資源を使ったエネルギーの地産地消などが挙げられました。

 
テーマ SDGs 魅力 できること
食、健康と教育 1, 2, 3, 4, 12
  • 食~里・海からの豊かで新鮮な食材、個性的な商店、売り手との接点、マーケットやお祭りの食、食への高い意識
  • 健康~介護保険の支出が少ない
  • 教育~子ども達のあいさつ、能力の高い人々→結束すると大きな力に
  • 地場食材の市場、流通、情報提供
森・里 13, 15
  • 美しい山里の風景、棚田、山から見る海の景色、山・里・街・海のつながり
  • 住~夏涼しい、季節を感じる空気・風
  • 遊び場~子どもも高齢者も、市民が手を付けられる自然
  • 街並を守る~海の眺望と緑
  • 森を使う~エネルギー、地産地消
  • 観光客対応~外の人を迎える「田んぼ・林の学校」
水、川、海 6, 13, 14
  • 海産物~地ダコ
  • 美しい海岸景観~富士山、江ノ島、星、静寂、早朝散歩
  • 遊び場~子どもも大人も、磯観察、サーフィン
  • ゴミをへらす~スーパーやお祭りの出店からのゼロウェイスト化、買わない・使わない宣言
  • 水源の山と森の整備~トイレ、倒木の整理、河川護岸の多自然化
  • 教育~海からみた町の景色、学校との連携、すべての世代が学ぶ場
まちづくり 8, 9, 11
  • 人~あいさつ、多様、寛容、おもしろい、女性の力、程よい人口規模
  • 経済~地域で資金を回す可能性
  • 景観~自然と人工のバランス、山・川・海が近い、葉山芸術祭
  • 遊び場~子どもたちが遊びに来る
  • 環境と景観を守る
  • 施設整備~入るのが楽しいトイレ
  • まちづくり~散歩が楽しめる
  • 場づくり~空地・空き家の活用、行政・議員・町民の話し合いの場
  • 防災への取組
エネルギー 7, 13
  • 再生可能エネルギー資源~太陽光、洋上風力、小水力、HDM(生ごみ減容)の可能性
  • エネルギー地産地消
  • バイオマス資源の活用~間伐材、街路樹剪定枝、竹林、生ごみ処理
  • 家庭用バッテリーの普及

さらに、各グループの議論で触れられた目標間の関連性について集計したところ、以下の傾向がみられました。貧困解消(目標1)、食(2)、健康(3)、教育(4)は不平等解消(10)と持続可能な都市・コミュニティ(11)以外のすべての目標と関連があり、特に健康(3)と教育(4)は陸の豊かさ(15)との関わりが深いことが見て取れます。次に、水(6)、エネルギー(7)、雇用と経済成長(8)および産業(9)と都市(11)、責任ある消費と生産(12)、気候変動への行動(13)および海の豊かさ (14)との間、ならびに責任ある消費と生産(12)および(13)と海の豊かさ(14)および陸の豊かさ(15)との間に相互のかかわりが深いことが分かりました。また、パートナーシップ(17)は他のすべての目標に広く関わっていることが示されました。

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今後の展望

ワークショップ最後の今後の展望に関する議論では、三浦半島サミットなどの機会を通じて議員や行政などの影響力のある方々を対象にした勉強会の開催、持続可能なまちづくりに向けたビジョン策定への貢献、商店、葉山芸術祭の会場や環境フェスタのブースへのSDGsの掲示などの提案がありました。また、ワークショップ後のアンケートからは、「異なる分野で活動する方々から様々なヒントやアドバイスをもらうことができた」といったように、多様な活動をされている方々との意見交換から多くの示唆が得られたといった感想が多く寄せられました。

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イベントの詳細

会場
葉山町教育総合センター
主催
公益財団法人かながわ国際交流財団(KIF)
使用言語
日本語
参加者
31名

発表資料

1. 趣旨(&本日の流れ)説明
KIF 清水
 

IGES 高橋・武田・片岡による発表資料
PDFをダウンロード (1.3MB)

2. SDGsショートレクチャー(IGES)【15分】
IGES 高橋・武田・片岡
3. 葉山の魅力、そして課題を共有しよう!
4. 具体的活動事例の紹介
までいなマーケット/葉山 山里会
5. 各参加者の自己紹介
~活動に関連するSDGs、関心のあるSDGs
6. グループワーク(ワールドカフェ方式)
① SDGsに照らした葉山の魅力と今後できること
② SDGsに照らしたテーマ間のつながり 
7. グループから全体へのフィードバック
8. 今後の展開についての討論