マイクロプラスチック汚染への対応

マイクロプラスチック汚染は近年、深刻な社会・環境問題となっており適切な対応が模索されています。既に多くの科学論文で報告されている通り、マイクロプラスチックはほぼすべての水域に存在しています。大型のマクロプラスチック廃棄物が分解されると、マイクロプラスチック(5mm以下)と呼ばれる小さな粒子が多数発生し、湖沼、河川、海洋などの水域で汚染物質となります。このようなマイクロビーズは何十年も水中に留まることで、その表面に有害な化学汚染物質を蓄積し、水の流れに乗って汚染物質を運搬します。

新しい水環境管理アプロ―チ

水環境管理領域では、マイクロプラスチック汚染問題の解決に向けて、2021年より河川のマイクロプラスチックに関する研究を開始しました(詳細については、PoDIWM-2プロジェクトのウェブサイトをご参照ください)。PoDIWM-2では、ASEANの都市において手頃な価格で安全な持続可能な家庭用排水処理システムを提供する際に直面する課題に焦点を当てています。地域でのマイクロプラスチック汚染という新たな課題の解決にあたり、従来の集中型排水管理アプローチの欠点に対処することを目指しています。従来のアプローチは高コストであり、気候変動や自然災害に対して適応性に欠けることが指摘されています。