ダナン市人民委員会より功労賞を授与

2022年3月31日
お知らせ

IGESは、5年間にわたるベトナム・ダナン市の持続可能な都市・社会経済開発への貢献が認められ、ダナン市人民委員会議長より功労賞を授与されました。

2017年以降、IGESは横浜市、ダナン市天然資源環境局(DONRE)と緊密に連携し、国際協力機構(JICA)の協力のもと、ベトナム第3の都市であるダナン市で分別収集に関するパイロットプロジェクトを実施しています。このプロジェクトでは、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の意識向上・行動変容キャンペーンを通じて、地区やコミュニティレベルで市民の参加と知識の普及を支援しました。さらに、横浜G30プラン(旧横浜市一般廃棄物処理基本計画)や3R夢プランなどの3Rキャンペーンで市民や民間セクターと協力した横浜市の経験を基にトレーニングセッションを開催しました。こうした一連の取り組みにより、ダナン市は、2025年までにリサイクル率を15%まで高めることを目標に、分別活動を市全体に拡大することを決定しました。DONREによると、2022年初頭の時点で、市は約1,500トンのリサイクル品/資源ごみを回収しています。現在、ダナン市の全世帯の63%、全自治会/町内会の83%が発生源での廃棄物分別に参加しています。

また、2020年初頭からIGESは、海に流出するプラスチックごみの問題に対する同市の取り組みも支援しています。ダナン市は毎年約1,087トンのプラスチックごみを海に排出しており、これは1週間に400万枚以上、住民1人当たり1日に2枚のプラスチック袋に相当すると推定されています。この課題に取り組むため、IGESは、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、リーズ大学、国際自然保護連合(IUCN)などの国内外のパートナーとともに、環境へのプラスチックごみの流出源や流出されやすいプラスチックごみの種類、水域までの流出経路を特定し、実現可能な目標を設定、プラスチックごみを監視・管理・測定するための革新的ソリューションを提案するプロジェクトを支援しました。このプロジェクトの成果は、2021年6月24日に策定・発行された同市の「2030年ビジョンに沿った2025年までの海洋プラスチック廃棄物管理行動計画(KH 122/KH-UBND)」の科学的根拠となりました。同市から出る海洋ごみの半分以上を占めるレジ袋などの軟質プラスチックフィルムの全廃を重点目標とし、ごみ総排出量の90%を発生源で分別するなどの積極的な目標が盛り込まれています。ダナン市では、2030年までに海洋ごみを75%削減するという野心的な目標を掲げています。

IGESは、過去20年にわたるアジア太平洋地域での豊富な経験を活かし、2030年の「ダナンの環境都市づくり」の実現に向けた支援を継続し、長期にわたる持続可能な都市・社会経済の発展に寄与していきます。

 

功労賞

プロジェクトの様子1

 

プロジェクトの様子2