2019年10月21日から23日にかけて、IGESは、国連環境計画世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)および東京大学未来ビジョン研究センターとともに、「生物多様性および生態系サービスのアセスメントに関する科学政策対話:東南アジアおよび東アジア」をバンコクで主催しました。
本ワークショップには、東南アジアおよび北東アジア10か国から、主に、生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)や生物多様性条約を担当する34名の政府関係者と、主催機関所属の研究者を含む27名の専門家が参加しました。参加者は、IPBESの組織構造や活動を踏まえた上で、IPBESアジア・オセアニア地域アセスメントを始めとするIPBESの報告書を政策上の意思決定に活用する方法について議論したほか、日本におけるIPBESの成果の普及活用の取り組み、国別生態系アセスメントの実施、社会・生態システムの統合化による自然資本・生態系サービスの予測評価モデルの開発を目指した研究プロジェクト「PANCES」について学びました。
それを受けての議論では、持続可能な未来に向けての社会変革の重要性、社会変革を実現するための科学的知見に基づく政策決定の重要性、そして、科学的知見に基づく政策決定のための各国での生物多様性と生態系サービスのアセスメントの重要性が、繰り返し強調されました。閉会時には、多くの参加者が、今回のワークショップで得られた情報とネットワークを活用し、自国で生態系アセスメントを実施する意思を表明しました。
ワークショップは4つのパートで構成され、それぞれ発表に続いて、少人数グループに分かれての議論・意見交換が実施されました。
発表
1)自然資本と生態系サービスの予測とアセスメントに係る日本の研究プロジェクト「PANCES」紹介
2)IPBESアセスメントアプローチ、IPBES概念フレームワーク、およびIPBESと生物多様性条約(CBD)の連携
3-1)IPBESアジア・オセアニア地域アセスメントについて
3-2)各国が直面しうる課題に関する3か国からの事例共有
4)日本におけるIPBESレポートの普及啓発活動について
議論・意見交換
1)東南アジアおよび東アジアの科学と政策のインターフェース
2)生物多様性と生態系サービスに関する国別アセスメントの経験とニーズの共有
3)各国の課題に対処するための地域アセスメントの活用方法
4)IPBES地域アセスメントの認知度向上を含めた、生物多様性に関するアウトリーチ改善
イベントの詳細
アナンタラ・バンコク・リバーサイド・リゾート
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