ASEAN諸国における分散型排水管理の効果的な実施方策

浄化槽などの改善された衛生施設を利用できる世帯の割合は、過去20年の間にすべてのASEAN加盟国で急激に増加しています。しかし、安全な衛生環境を形成するにはトイレに限らず、全体的な衛生サービスチェーンへの配慮が必要です。具体的には、処理された廃水や汚泥を、集中型または分散型のシステムを用いて、オンサイトまたはオフサイトで安全に管理、処理、処分、再利用する方法などの見直しが欠かせません。

能力開発のための地域プラットフォーム

日本・ASEAN統合基金による新たな取り組みとして、「分散型生活排水管理アプローチによるマイクロプラスチックと水質汚染に取り組むASEAN自治体の能力開発強化」プロジェクトがあります。水環境管理領域は現在、ASEAN事務局および加盟国と緊密に協力し、科学的・実践的な知識を集約し、政策対話を強化するための地域プラットフォームの設立を後押ししており、フィリピンのラウニオン州バウアン市でパイロットプロジェクトを実施しています。また清潔な水と衛生に関するSDG6の関連ターゲットの達成に向けて、ASEAN諸国における分散型廃水管理の効果的な実施を促進し、地方自治体や関係する複数のステークホルダーの能力開発にも取り組んでいます。