気候変動と安全保障に関する各国の動向

ブリーフィングノート
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昨今、気候変動問題を安全保障の文脈で捉える議論が加速しており、いわゆる「気候安全保障(Climate Security)」の概念が国際的に多用されるようになっている。

気候変動を非伝統的な安全保障上の脅威とみなす議論は長年存在していた一方で、気候変動を一因とする異常気象や災害が、従来の開発途上国のみならず先進国にとっても大きな脅威となりつつあるという危機意識の高まりを背景に、注目を集めている。また、新型コロナウイルスの蔓延や、ロシアのウクライナ侵攻などに伴い、食料・エネルギー危機などの課題が顕在化し、気候変動がそれらに拍車をかけている、あるいはそれらが気候変動問題の解決の障害となっているといった議論も散見される。最近では、NATO、EUが相次いで気候変動と安全保障の連関に係る具体的な方針を打ち出しており、国際的な関心の高さがうかがえる。

本稿では、昨今の国際社会における気候変動と安全保障との連関を取り巻く我が国と他国および多国間協力体制による取り組みの状況を整理し、気候安全保障に関する検討へと役立てることを意図してとりまとめた。

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