南アジアにおける廃棄物の野焼き根絶に向けた「カトマンズ宣言」を採択

2025年10月17日
お知らせ

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES=アイジェス)は、「南アジアにおける廃棄物の野焼き根絶に向けた変革的行動に関する地域対話」を2025年9月6日~7日にネパール・カトマンズで短寿命気候汚染物質削減のための気候と大気浄化の国際パートナーシップ(Climate and Clean Air Coalition to Reduce Short-Lived Climate Pollutants: CCAC)と共催*しました。南アジア各国の政策担当者、学術関係者、市民団体、地方自治体、開発パートナー等とともに、野焼きに関する現状と取り組みを共有し、野焼き問題に対応するアジアロードマップの作成に関する議論を行ったほか、南アジアにおける野焼き根絶への具体的な行動計画を示す「カトマンズ宣言」を採択しました。

南アジアでは、年間7,000万トン以上の固形廃棄物が発生する一方で、その多くが適切に収集されず、野焼きや不法投棄により大気汚染や健康被害が深刻化しています。野焼きによって放出される微小粒子状物質(PM2.5)や温室効果ガス、有害化学物質は、気候変動を悪化させるだけでなく、越境的な大気汚染を引き起こし、呼吸器・循環器系疾患など人体への有害なリスクをもたらします。2023年には、バングラデシュ、インド、パキスタン、ネパール、スリランカでPM2.5濃度が世界保健機関(WHO)の基準を超え、特にインド・ガンジス平原などの人口密集地では、WHOの基準を数倍上回ることも報告されています。

こうした課題を受け、南アジア各国では野焼き根絶に向けた取り組みが始まっており、IGESでは、地域全体で資源効率化、大気汚染防止、持続可能な開発を進めるための活動を支援しています。今回採択された宣言は、政策の整備・強化、廃棄物処理インフラの整備、地域社会の参画、知見の共有、イノベーションの促進など、包括的な取り組みを通じて、持続可能でレジリエントな廃棄物管理体制への移行を目指すものです。また、野焼き問題に対する南アジア地域全体での協力と連携の一層の進展が期待されます。

*ネパール森林環境省・環境局、保健環境・気候行動財団(Health Environment and Climate Action Foundation: HECAF360)、ガイア(Global Alliance for Incinerator Alternatives: GAIA)の協力のもと開催


「南アジアにおける廃棄物の野焼き根絶に向けた変革的行動に関する地域対話(Regional Dialogue on Transformative Action to End Open Burning of Waste in South Asia)」について https://www.iges.or.jp/en/events/20250906-07(英語のみ)