公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、10月24日(木)、今年12月にナミビア・ウィントフックで開催される生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第11回会合において承認・公開が予定されている「ネクサス評価報告書」および「社会変革評価報告書」についての事前説明会を、IPBES事務局との共催にて開催します。
IGESは2015年から、IPBESの各種技術支援機関をホストするなど、その活動に貢献してきました。また、多くのIGES研究員がIPBESの各種評価報告書の執筆に携わってきています。日本に拠点を置く環境シンクタンクの中でも、IGESとIPBESは深く長い協力関係にあります。こうした協力関係の下、アン・ラリゴーデリIPBES事務局長の来日に伴い、日本の報道関係者の皆様に向けて本説明会を実施することになりました。
当日は、ラリゴーデリIPBES事務局長から2つの評価報告書の作成目的や意義、評価対象や構成等について説明をするほか、ロブ・スポールIPBES事務局コミュニケーションヘッドより、IPBES総会直後に開催予定のプレスカンファレンスとその事前登録方法、報道関係者向け資料、インタビューの機会等について紹介します。
【開催概要】
1) 日時: 2024年10月24日(木) 10:00 - 11:30
2) 会場: IGES 東京サステイナビリティフォーラム(東京都港区西新橋1-14-2 新橋SYビル4F )
3) 主催: 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)/IPBES事務局
プログラム
時間 | 登壇者 | 内容 |
---|---|---|
10:00-10:05 | IGES広報 | 開会あいさつ |
10:05-10:20 | ロブ・スポール IPBES事務局 コミュニケーションヘッド | IPBESの概要と本日の説明会について |
10:20-10:30 | 髙橋 康夫 IGES生物多様性と森林領域リサーチマネージャー | 日本の自然環境政策におけるIPBESの重要性とIGESの役割 |
10:30-11:10 | アン・ラリゴーデリ IPBES事務局長 | 「ネクサス評価報告書」「社会変革評価報告書」の評価対象・規模・重要性について |
11:10-11:30 | 質疑応答 |
※本説明会は報道関係者が対象です。
※オンラインでの配信はありません。また、後日の録画配信もありませんので予めご了承ください。
「生物多様性、水、食料及び健康の間の相互関係に関するテーマ別評価(ネクサス評価)」について
生物多様性、水、食料、健康、気候変動など、現在世界が直面するさまざまな危機には相互に密接なつながり(ネクサス)があり、個別のアプローチでは対処できないことが明らかになってきています。本評価では、これら複数の課題への対処における、重要なシナジー(相補性)とトレードオフ(排他性)を明らかにし、これらのネクサスを念頭に最良の結果を導く対策のあり方を明らかにします。
「生物多様性の損失の根本的要因、変革の決定要因及び生物多様性2050ビジョン達成のためのオプションに関するテーマ別評価(社会変革評価)」について
IPBES地球規模評価報告書(2019年)は、2030年以降の国際的な持続可能性目標を達成するためには、システム全体の根本的な再編成が必要であることを明らかにしました。本評価では、こうした社会変革の具体的な要素を探り、持続可能性を達成するためのシナリオと道筋を定義します。
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)について
IPBESは、生物多様性分野の科学と政策の連携強化に向けて 2012年に設立された政府間機関です(事務局:ドイツ・ボン/現在 147カ国が参加)。科学的評価、能力養成、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱に、地球規模での生物多様性と生態系サービスの現状、変化とその要因、人類への影響などについて明らかにする政府間プラットフォームとして、世界中の科学者の研究をもとに科学的な分析評価と政策提言を実施しています。気候変動分野で同様の活動を進める気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の例から、「生物多様性版のIPCC」とも呼ばれています。