IGESが事務局を務める「パリ協定6条実施パートナーシップ(A6IP)センター」 国際排出量取引協会(IETA)と協力協定を締結 ―質の高い炭素市場の早期、かつ着実な構築に向けてー

2023年12月1日
プレスリリース
A6IP

「パリ協定6条実施パートナーシップ(The Paris Agreement Article 6 Implementation Partnership: A6IP)センター」の事務局を務める公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES=アイジェス)は、市場メカニズムを定めるパリ協定6条(以下、6条)の実施およびその強化について共通の目標と目的を有する国際排出量取引協会(IETA)と協力協定を締結しました。

6条を最大限に活用し、世界の温室効果ガスの削減と経済成長に同時に寄与する脱炭素市場を実現するためには、グローバルな脱炭素技術が展開できる市場や、民間投資が活性化する「質の高い炭素市場(high integrity carbon market)」を構築する必要があります。

A6IPセンターは、6条に基づく質の高い炭素市場の早期、かつ着実な構築に向けて、各国政府関係者および関係事業者などの体制整備や能力構築の促進を目的として設立されました。今や2023年11月現在、パートナーシップに参画するパートナーは71カ国、106機関となっています。一方、IETAは、ボランタリー・クレジットメカニズムの認証基準であるVerified Carbon Standard(VCS)を開発し、運営する機関のひとつです。本協力協定は、パリ協定の目標達成と、パリ協定に貢献するA6IPセンターのミッション達成に向けた重要な一歩となります。

【両機関の合意内容】

  • 気候変動に対処するための主要な政策手段として炭素市場という解決策が重要であるというビジョンを共有し、こうしたビジョンを内外で促進させる
  • パリ協定の目標を達成するために必要な規模の資金と技術を動員させるため、民間の役割が重要であることを確認し、民間の参入を促進させる
  • 炭素市場の質(十全性)および信頼性が確保された、炭素市場の健全な成長を支援すべく、各国国内および国際的なルール形成とガイドライン設計に協力するとともに、作成されたルール・ガイドラインの円滑な履行と促進に協力する
 

IETA(国際排出量取引協会)について
IETA は1999 年以来、ビジネス界で市場ベースの野心的な気候変動ソリューションとネットゼロの推進において主導的役割を果たしてきました。 IETA は、環境的に確実かつ公正で開かれた、効率的な説明責任があり、国を超えて一貫性のある、排出量の削減と除去のための取引制度の確立を支持してきました。 300 以上の主要な国際組織を代表する IETA は、温室効果ガス排出量を最小限のコストで削減し、ネットゼロ排出への確かな道筋を築き、国際政策と市場枠組みを構築する信頼できるパートナーです。 詳細については、こちらをご覧ください。