公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES:アイジェス)研究顧問、甲斐沼美紀子が統合評価モデリングコンソーシアム(Integrated Assessment Modeling Consortium: IAMC)が選定する「Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)」を受賞しました。
IAMCは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、気候変動による影響を評価するための新しいシナリオの開発を科学者グループに要請したことを受けて、2007年に設立された国際的なコンソーシアムです。
「Lifetime Achievement Award」は、統合評価モデリングにおける生涯にわたる優れた実績や、科学的かつ包括的なコミュニティ形成への一貫した貢献に贈られる賞であり、受賞に相当する候補者がいた場合のみ授与されます。過去には、ノーベル経済学賞受賞者のウィリアム・ノードハウス教授も選ばれています。
IAMC創設者の一人でもある甲斐沼IGES研究顧問は、国立環境研究所にて多年にわたりアジア太平洋統合評価モデル(AIM)の開発やAIMを用いた研究に携わり、IPCC第4次および第5次評価報告書やIPCC 1.5℃特別報告書で主執筆者を務めるなど、国際的な研究コミュニティに貢献してきました。今回の受賞は、甲斐沼IGES研究顧問の一貫した研究活動が評価されたものといえるでしょう。
受賞にあたり、甲斐沼IGES研究顧問は「IAMCから2022年12月に生涯功労賞(Lifetime Achievement Award)を受賞しました。IAMCは、2007年に新しいシナリオの開発に向けてIPCCから科学者グループへの呼びかけに応えて作られた組織です。これまで、代表的濃度経路(Representative Concentration Pathways; RCP; 2011年)や、共通社会経済経路(Shared Socioeconomic Pathways; SSP; 2017年)などのシナリオをIPCCなどに提供してきました。このような活動に貢献できて光栄です」と述べています。